もっと知りたい!くらしのお金 バックナンバー 波多間純子先生の子育て中のお母さんのためのライフプランアドバイス

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第1回 家計・ライフプラン 〜家庭経営戦略の必要性〜

※この内容は、2004年時点での情報を含んで掲載しています

1. 社会の変化に対応した生活戦略を練る

ファイナンシャル・プランナーになって今年で13年目になります。バブルの終焉から家計を見続けて最近感じることは、華やかなバブル時代より現在の方が生活のスタイルや商品など選択肢が増えて、各種の情報も氾濫しているというのに自分達が満足する生活を送っている家庭が意外に少ないということです。


理由を考えてみたところ、それらのご家庭に共通することは主義主張(自分なりの価値感)が無く、それゆえ物事を取捨選択できず、周囲に流されながら生活を送っているということが理由の1つのようです。逆に、お金が貯まっているご家庭や順調に教育や住宅などの夢を実現しているご家庭は、自分達の価値観や物事を選択する際の優先順位をしっかり持っており、さらに自分達の置かれている立場や家計、財産などのことを真剣に考えて、納得いくまで調べて、比較検討や分析をして決断をしているようです。おのずと、同じように相談にお見えになっても後者の方のほうがより具体的で実践的なお話になります。


考えてみれば、ほんの10数年前まで、生活スタイルや金融商品などは一様で、例えば自動車保険はどこの会社で加入しても商品性や保険料が同じだったように、どこで買ってもどこに行っても同じような物やサービスしか提供されていませんでした。必然的に選択肢も限られていたので、どこでどれを選んでもあまり結果は変わらなかったように思います。


ライフプランについても、一億総中流時代で教育も住宅も他の家庭と同じように選択すれば良く、節約と貯蓄が基本、老後も国や企業の保障でいわゆる人並みの暮らしができていました。その結果、現在のように社会が劇的に変化しているにもかかわらず、「どうにかなる」と変化に対応できていない人々が多いのもわかるような気がします。


しかし、現在は平均寿命も伸びて、いわゆる老後の人生が長くなり、それぞれの場面で個人の選択肢も広がってきたために自己決定能力と自己責任能力が必要となっています。


そこで、私達は様々な選択肢の中から、自分や家族が充実した生活を送るための「ライフデザイン」、つまり人生の『ガイドライン』を考え、次に、「ライフプラン」を作りながら、家族で家庭の生活戦略を練り、同時に生活防衛(リスクマネージメント)戦略を練ることになります。そういう意味で家庭も会社の経営に似ていますが、会社の基本は「儲ける事」で、家計の場合は「充実した生活を送る事」が目的ということで戦略も異なります。


2. ライフプランの作成と家計のバランスシート

生活戦略を練る上で最初に行うのが、「ライフプラン作り」です。これに関しては皆様も良くご存知だと思います。そこで、ここではライフプラン作りのガイドラインの1つである「優先順位」について考えてみます。


最近は片付けられない人たちが増えて、マスコミでも話題になっているようですが、実はライフプランを考える際にも整理整頓できない方が多いので、私もお客様のライフプランを作成する際にはご自分達が何を大切に生活しているのか、その優先順位はどうなのかなどの定性情報(性格や価値感などの情報)をしっかり伺って一緒に整理するようにしています。

一例《人生の中で重要な順に1〜16まで番号をつけてください。》
マイホームの取得 ( )
趣味 ( )
子供の教育 ( )
収入アップ ( )
子供の能力開発 ( )
妻の仕事 ( )
自分達の老後の資金 ( )
独立開業 ( )
自分達の老後の生きがい ( )
帰省 ( )
家族のとのふれあい ( )
車 ( )
洋服やインテリアの充実 ( )
夫の死亡後の生活 ( )
夫の出世 ( )
健康へのこだわり ( )

例えば、子供一人を幼稚園〜大学まで私立に通わせようとすると2000万円かかります。キャッシュフローを作成して、マイホームの購入と希望する子供の教育のどちらかをあきらめなければならなかった場合に、どちらを優先するかの選択基準です。どちらかをあきらめるというのは極端な例ですが、プランを作成する上でどちらを優先させるか話し合いをしながら明らかにしていくと家族の意思の疎通も図ることができるのではないでしょうか。


次に、家庭の財務管理についてです。現在の漠然とした不安を解消するためには裏付けのある数字が有効ですが、それを把握できるのが『家計簿』と『財産簿』です。ある統計によれば常時家計簿をつけている家計は全国で22%、財産簿に至ってはほとんどのご家庭に存在しないのではないでしょうか。『家計簿』と『財産簿』を利用して1年毎に家庭の決算書を作成することをおすすめします。


以下の例をご覧ください。マンション購入直後の2つのご家庭のバランスシートの比較です。マンションの価格や資産額から判断すると『債務超過の家計例』の方が豊かな生活を送っているように見えますが、実際は『比較的安定の家計例』の方が安定した生活を送っていることがわかります。


債務超過の家計:資産…預貯金300万円+マンション3000万円、負債…3600万円、正味財産…-300万円 → 自己資本率…-9% 比較的安定の家庭:資産…預貯金600万円+マンション2000万円、負債…2000万円、正味財産…600万円 → 自己資本率…23%

それでは、貸借対照表の作り方についてお話します。財産のバランスシートの考え方は、『正味財産』−『負債』=『資産』となります。つまり、資産をすべて売り払い、負債をすべて返済したあとに手元に残る現金が正味財産ということです。資産の評価には時価評価の概念が必要になります。例えば有価証券はほとんどの場合新聞でチェックしたり、証券会社などに問い合わせれば直ぐにわかります。わかりにくいのは不動産の時価評価を求める作業です。これは毎年4月に送られてくる固定資産税の通知書に書かれている固定資産税評価額を参考に新聞の折り込みチラシや不動産情報などの周辺事例を元にご自分で推測することになります。現在の価格を知ってびっくりしないでくださいね。ちなみに、車は減価償却を参考に時価評価します。


ところで、貸借対照表の不具合の原因は不動産の資産劣化が大きいと思います。右肩上がりの時代には多少なりとも不動産価格は上昇するもので、それを見込んでローンを組んでいました、資産は年々増加し、負債は減って正味財産は着々と増えていきました。支払時期の重なる教育費の捻出には苦労はあったものの住宅ローンを払い終われば老後を悠々と暮らせるだけの資産形成が充分可能でした。


ところが、現在5000万円で購入したマンションでさえ半分になる時代、バランスシートに及ぼす影響も大きい。購入した途端に業者の利益分の価値が下がり、住んでいなくても価格が下落するというのは周知の通りです。銀行であれば国から「公的資金の注入」があり、ゼネコンなら「債権放棄」をしてもらえるかもしれませんが、一般庶民の私達の家計にはありえない話なので、どうにか頑張るしかありません。そこで、以下の方法で手当てを考えます。

  • (1)収入の増加
  • (2)消費の節約・合理化
  • (3)資産運用の効率化
  • (4)資産評価の上昇
  • (5)親からの相続・贈与を受ける
  • (6)目的の大幅な変更

ファイナンシャル・プランナーに相談したのに、当たり前のことしか方法は無いのかと言われそうですが、魔法の杖を持っているわけではないので仕方ないです。ただし、具体例をもって話をすることができます。例えば、『生命保険の見直しをして1万円浮いたとすると、毎月の住宅ローンの返済を1万円アップすることで、返済期間を3年9ヶ月短縮でき、支払利息を約124万円節約できます(借入2000万円 30年ローン利率3%で5年後に条件変更した場合)』とか、キャッシュフロー表上で子供の教育費が不足して収入をあげるには妻が働きに出るしかないような場合、『5年後に子供の大学進学費用の400万円を準備したいというのであれば、月に10万円収入をあげ、そのうち7万円を貯蓄に回せばあなたの希望を実現することができます』など、期間を5年と限定し、いくらの貯蓄をすればよいかを具体的に話せば前向きに考える方も多いでしょう。それでも子供のために家にいたいというのであれば、家族の優先順位が子供の大学進学より、母が家にいて子供と接することだと再認識されるでしょう。


3.家庭経営のための戦略ツール「知識」「情報」「法律」

最後に、ご存知の通り、私達が現在置かれている状況は(1)終身雇用制(2)金融機関の不倒神話(3)土地神話(5)社会保障制度の崩壊などで厳しさを増しています。


そんな中で、子育て世代といえども子供の年齢も親の年齢も様々ですが、これからの人生様々な場面で重要事項を『選択』していかなければなりません。しかも結果はすべて自己責任です。そんなときにしっかりとした人生の『ガイドライン』と「情報」「知識」「法律」を身に付けることが必要になります。消費者契約法を知らずに営業マンに怒鳴られてマンションを買ってしまったAさん。格付け情報を知らなかったために老後資金の年金額が半分になってしまったBさん。全く目的と違う保険に入ったCさん。今は知らないと損をする時代です。私達は「情報」「知識」「法律」を充実させるとともに、必要としてくださる方がいれば私達の知識を提供していけるよう切磋琢磨して頑張っていきたいと思います。

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