知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『薬の豆知識』

市販薬と処方薬の違い

薬には、市販されている市販薬と医師の処方箋で買える処方薬があります。市販薬は手軽に購入でき、風邪を例にとると、風邪のいろいろな症状に合わせて1回1錠や1包飲めば良いということで使用法も簡単です。ところが、病院に行くと、風邪の症状に対してひとつずつ薬が処方されることがあります。解熱薬、抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、去痰薬、抗生物質、等々。風邪といえども3~4種類もの薬が処方されることがあります。薬の量はその方の体つき(体重)に応じた量を考慮しています。また、薬だけでは大変微量で扱い難いので、かさを増やす為に薬以外のものを添加し、服用しやすくしています。 風邪を例にすると、ひき始めの頃は市販薬を試してみるものよいですが、ひどくなったり、長引いたりする場合は受診し、オーダーメイドの薬を処方してもらうと良いでしょう。

服用の仕方

薬はたっぷりのお水かぬるま湯で服用しましょう。そのようにしますと薬を良く溶かし、吸収を良くします。また食道に薬がつかえて粘膜を痛めたりすることの防止にもなります。 緑茶、紅茶、コーヒー、アルコール、牛乳などで服用すると、薬効を妨げたり、副作用を起こすことがあります。

服用の時間

薬には服用するのに適した時間があります。

食前30分
食物の影響を受け易い薬や血糖値をコントロールする薬、食欲増進薬、吐気止めは食物が胃に入る前に服用します。
食直後
胃障害を生じ易い薬は、食物が胃の中にある時に服用します。
食後30分
胃の中に食物が少し残っていて障害を防ぎ、ほどよく吸収され効果が出やすくなります。飲み忘れるようでしたら食直後でもかまいません。
食後1時間
食物が消化されて腸へ移動した後も胃酸は分泌されます。その胃酸の刺激から胃を保護する為に服用します。
食後2時間
薬の吸収が食物に影響されて減少するものや、胃粘膜を保護する薬は胃内に食物がなくなった頃に服用します。
時間毎の薬
血液中の薬の濃度を一定に保つことで持続効果を期待する薬(抗生物質他)は食事と関係なく一定の時間で服用します。
ただし、安眠、休養も必要なので多少のズレはかまいません。
寝る前
排便を促す薬や、夜間の発作を予防する薬、睡眠薬は就寝のおよそ30分前に服用します。
頓服薬(必要に応じて服用)
症状を一時的に改善する薬です。痛み止め、熱さまし、咳止め、狭心症発作予防薬、下剤などがありますが、医師の指示を良く守って服用しましょう。

保管方法

合成あるいは精製物質である薬は、保存状態が悪いと変化を受けやすく、効果のうえにも悪影響を与えます。

  • パッケージや、薬袋に指示があれば、それに従いましょう。
  • 基本的には高温、多湿、直射日光を避ける→冷蔵庫保存が最適です。
  • 軟膏の口や、水薬瓶の口、目薬の口等は常に清潔に保ちましょう。

使用期限

薬によっては、使用期限を表示しています。使用期限というのは未開封の状態で適切な保存条件を守った場合に効力を保証できる期限のことです。 開封後は、外観(色や形)が変わっていないかどうか十分確かめて使用しましょう。

  • 錠剤、カプセル、粉薬は適切な保存であれば使用期限は1~2年です。
  • 目薬、点鼻薬やシロップは開封すると酸化したり、細菌が入ったり、あるいは水分が蒸発したりするので長くとも1~2ヶ月迄の使用が望ましいでしょう。

●情報提供:T-PEC

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