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今月のテーマ『大豆イソフラボンについて』

最近の健康ブームから、体に良いとされる大豆イソフラボンを強化した健康食品もありますが、それら健康食品を過剰摂取すると生体への影響に問題があるという試験結果が報告されました。食品安全委員会がそれらの安全性を検証したところ、食事以外のサプリメントや特定保健用食品等での大豆イソフラボンの過剰摂取に警鐘が鳴らされました。今回は、大豆イソフラボンを強化したサプリメントや特定保健用食品(トクホ)を利用する際に気をつけていただきたい点についてお話しましょう。

特定保健用食品とは

一般にはトクホと呼ばれます。安全性や健康への効果について科学根拠を有することが認められたものについて、厚生労働省が効能表示を許可した食品です。

大豆イソフラボンとは

大豆イソフラボンは、大豆、特に大豆胚芽に多く含まれる複数の化学物質の「大豆イソフラボン配糖体と大豆イソフラボンアグリコン」等の総称です。大豆イソフラボン配糖体は体内で大豆イソフラボンアグリコンとなり、腸管から吸収されます。大豆イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)と化学構造が似ていることから、「植物性エストロゲン」とも呼ばれます。

大豆イソフラボンの働きについて

大豆イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)に似ているため、女性ホルモンに似た作用を生じることが知られています。この生体作用により、骨粗しょう症の予防や更年期障害の軽減、乳がんの予防等に有用と言われています。しかし、過剰摂取すると女性ホルモンのバランスが崩れ、月経周期の延長や子宮内膜増殖症のリスクが高まる試験結果が報告されています。

大豆イソフラボンアグリコンとしての摂取目安量 (食品安全委員会の評価)

※この摂取目安量は吸収されやすい「大豆イソフラボンアグリコン」としての評価です。
※大豆イソフラボン配糖体に0.625倍した数値がアグリコンの量です。

例:大豆イソフラボン配糖体10mg×0.625=大豆イソフラボンアグリコンとして6.25mg
  ● 一日あたりの摂取目安量:上限値70mg〜75mg
  ● トクホやサプリメント等で追加摂取する際の上限値:追加摂取上限値:30mg


大豆食品100g中の大豆イソフラボンアグリコンとしての含有量
食品名 平均含有量(r/100g) 食品名 平均含有量(r/100g)
大豆 140.4 金山寺みそ 12.8
煮大豆 72.1 油揚げ類 39.2
揚げ大豆 200.7 納豆 73.5
きな粉 266.2 味噌 49.7
豆腐 20.3 醤油 0.9
凍り豆腐 88.5 豆乳 24.8
おから 10.5 豆腐一丁:350g 納豆一食:45g きな粉大さじ2杯:12g
厚生科学研究(生活安全総合研究事業)食品中の植物エストロゲンに関する調査研究(1998)より

大豆イソフラボンに関するQ&A

日常の食生活で大豆イソフラボンの摂取量が安全の目安となる上限値を超えている人は、大豆食品の摂取を控えるべきですか。
大豆食品は大豆イソフラボンを含む以外にも、「畑の肉」とも言われるように低脂肪で良質なたんぱく質源であり、日本人に不足しがちなカルシウムの供給源としても重要な食品です。また、日本人は豆腐、納豆、煮豆、みそなどの「伝統的な大豆食品」について、日常の食生活における長い食経験があります。これらの大豆食品を食べる事による大豆イソフラボンの健康への有害な影響が提起されたことは今までなく、心配する必要はないでしょう。厚生労働省の推奨する健康日本21では、大豆を含む豆類は一日100g摂取する事が目標となっています。
サプリメントで大豆イソフラボンを摂取しても大丈夫ですか。
食品安全委員会は、「日常の食生活に加えて、特定保健用食品としての大豆イソフラボンの摂取量が、大豆イソフラボンアグリコンとして30mg/日の範囲に収まるように適切にコントロールを行うのであれば、安全性上の問題はないと考えられる。」としています。この量は毎日欠かさず長期間摂取する場合の平均値としての上限値であり、現時点でより安全性を見込んだ慎重な値とされています。よって、毎日長期間上限値を超えてしまうのでなければ、直ちに健康被害に結びつくというものではないと考えられます。トクホやサプリメントを利用する際は大豆イソフラボンアグリコンの量を確認し、表示が不十分なときはメーカー等に問合せしましょう。
妊婦や子どもに大豆イソフラボンを含むサプリメントやトクホを食べさせても大丈夫ですか。
子どもや妊婦、胎児についてはどのくらい大豆イソフラボンの摂取があれば心配ないのか、十分なヒトの試験データがなく、現時点では科学的に明らかになっていません。
そのため、子どもや妊婦が日常の生活で食べている「伝統的な大豆食品」に加えて、特定保健用食品などにより大豆イソフラボンを摂取することは推奨されていません。

終わりに

特定保健用食品やサプリメントはあくまでも食事で足りないところを補うもので、食事の代わりにはなりません。科学的根拠のしっかりした製品を選び、摂取量は守りましょう。薬を服用している方がサプリメントや特定保健用食品を利用する際は、医師や薬剤師に相談することをお勧めします。厚生労働省では、成人に対してカルシウムに富む食品の摂取量の増加を目標に、豆類、牛乳・乳製品、緑黄色野菜に該当する食品の摂取量を増やすように勧めています。特に大豆及び大豆由来食品は良質のたんぱく質源でもあり、カルシウム等にも富む重要な栄養源ですので、食生活の中で他の食品とともにバランスよく食べる事をお勧めします。みなさまが心身ともに健康な生活が送れるよう、今回の情報がお役に立てたら幸いです。

情報提供:T−PEC保健医療情報センター

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