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今月のテーマ『百日咳』

はじめに

麻疹の流行の影に隠れてしまいましたが、今年は百日咳も流行しています。本来、小児に多い病気ですが、百日咳の免疫がない成人もかかることがあります。最近は成人の患者が増加し、今年は報告されている患者数の3割が20歳以上で、百日咳の流行のために休講する大学も出ています。百日咳とはどのような病気なのでしょう。

百日咳とは

百日咳は百日咳菌による細菌感染症で、患者さんののどや鼻からの分泌物によって飛沫感染や接触感染をします。1年中見られますが、春から夏が流行期です。百日咳は、感染症法で患者数を把握することが定められており、全国約3,000ヵ所の小児科医療機関から患者数が報告されます(定点把握といいます)。今年は報告数が7月の時点で1,200件を超えており、過去5年間に比べかなり多くなっています。定点把握の報告数から推計した日本での患者数は年間2万人前後ですが、軽症例は「風邪が長引いているな」と思っているうちに治ってしまい、統計からもれてしまっている場合も多く、実際の患者数はもっと多いと考えられています。世界的に見ると年間2,000〜4,000万人が百日咳にかかり、そのうち20〜40万人が亡くなっています(死亡者の約90%は発展途上国の小児です)。

百日咳の症状

百日咳菌に感染すると、6日〜20日(平均7日)の潜伏期の後に発症します。病気の経過は第1期〜3期に分かれます。

第1期:カタル期
咳、鼻水、微熱など風邪と同じような症状が出ます。この時期は、症状だけでは百日咳と診断するのは困難です。咳は徐々にひどくなり、1〜2週間で第2期の症状が出ます。
第2期:痙咳(けいがい)期
百日咳特有の咳発作が出ます。短い咳が連続的に起こり、息を吸う時にヒューという高い音がします。2〜3週間は咳発作が続き、その後徐々に減少します。通常発熱はなく(あっても微熱程度)、咳発作が起きていない時は無症状です。乳児は重症化しやすく、嘔吐やチアノーゼ、無呼吸、呼吸停止を起こすこともあります。
第3期:回復期
咳は出ますが、発作はなくなります。咳は2〜3週間で出なくなりますが、時々忘れた頃に咳発作が出ることもあり、全経過2〜3ヵ月程で回復します。成人の場合は典型的な咳発作を起こすことが少なく、長引く咳の後に回復します。

百日咳の診断

感染症法では、次の基準を満たすものを百日咳として報告することになっています。

  • 症状や所見から百日咳が疑われ、かつ、以下のふたつの基準全てを満たすもの

    (1)2週間以上持続する咳嗽

    (2)以下のいずれかのうち、少なくとも一つを満たすもの

    • 百日咳特有の咳
    • 新生児や乳児で、他に明らかな原因がない咳嗽後の嘔吐または無呼吸発作
  • 上記の基準は満たさないが、検査により百日咳と診断されたもの

百日咳の検査は血液中の抗体や白血球数の増加を調べる、綿棒で鼻腔を拭って培養し百日咳菌を検出する方法などがありますが、結果が出るまでに時間がかかります。特有の咳があれば診察所見だけで診断は可能です。

百日咳の治療

マクロライド系の抗生物質を使用します。特にカタル期では有効です。咳発作に対しては鎮咳去痰剤や気管支拡張剤、重症の場合は免疫グロブリン製剤を使うこともあります。様々な刺激が咳を誘発するので、ほこり、たばこ、冷たい風、むせやすい食べ物などには注意します。部屋は湿度を高めにし、時々換気をしましょう。満腹になっても咳が出やすくなるので、食事は消化が良く栄養のあるものを少しずつ食べるのが良いでしょう。

百日咳の合併症と予後

脳症、肺炎、肺気腫などを合併することがあります。重症化しやすい乳児を除けば、合併症を起こさなければ予後は良い病気です。

百日咳の予防

百日咳ワクチンが有効です。ジフテリア、破傷風とともに三種混合ワクチン(DPT)として予防接種法で乳幼児への接種が定められています。ただし、ワクチンの効果は6〜10年で減少していくので、注意が必要です。ワクチンでの免疫ではなく、実際に百日咳にかかった場合は、終生免疫が得られると言われていますが、2回かかる場合もあるようです(2回目は軽くすむことがほとんどです)。初めてかかった場合でも成人は軽い場合が多いので、受診・治療せずに放置しているケースがあります。症状は軽くても、咳とともに周囲に菌をまき散らしているので、感染源にならないよう、2週間以上咳が続く場合は受診しましょう。適切な治療をすれば、3〜5日程度で菌は出なくなります。感染拡大を防ぐため、学校保健法では特有の咳がなくなるまでは出席停止とすることが定められています。百日咳の免疫がない人が患者に接触して感染の可能性がある場合は、予防的に抗生物質の内服をする方法がありますので、ご心配な場合は医師にご相談ください。飛沫感染・接触感染するので、流行時には風邪やインフルエンザの予防のように手洗いやうがいをこころがけましょう。

参考文献 標準感染症学  医学書院
予防接種Q&A  東京医学社
感染症マニュアル  東京都

情報提供:T−PEC保健医療情報センター

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