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今月のテーマ『Hib(インフルエンザ菌b型)ワクチン』

インフルエンザ菌をご存知でしょうか。

毎年猛威をふるうインフルエンザウイルスと名前が似ていますが、全く別のもので、細菌性髄膜炎の原因菌として知られています。インフルエンザ菌による細菌性髄膜炎は毎年約1,000人の罹患者がいると言われていますが、細菌性髄膜炎は重症化しやすく、後遺症に悩む方も少なくありません。このHibによる細菌性髄膜炎を予防するためのHibワクチンは、発展途上国を含む100カ国以上で定期接種に組み込まれていますが、日本では2007年1月に厚生労働省に認可されました。今回はこの「Hibワクチン」についてお話しましょう。

インフルエンザ菌とは

「ヘモフィルス・インフルエンザ」という名前の細菌で、咽や鼻にいる常在菌です。1800年代のインフルエンザの大流行の際に、原因菌として分離されましたが、その後否定されたためこの名前だけが残ることになりました。一般的に知られているインフルエンザは「ウイルス」が原因で、この菌が原因ではありません。インフルエンザ菌はa〜f型と型別不能型の計7種類に分類され、このうち全身感染症の大部分はb型によって引き起こされます。名称が似ていて紛らわしいため、『ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型』のイニシャルを取って「Hib」(ヒブ)と呼ばれるようになりました。小児では50%、成人では5〜10%の人が保菌していると言われますが、殆どの成人は保菌していても自然に抗体(抵抗力)ができているため発症することは稀で、罹患する人の85%は0〜4歳の乳幼児であるというデータがあります。この菌の抗体(抵抗力)は、母親から移行したものが有効とは言えないと言われていますので、そのことが理由でもあるのでしょう。唾液を介しての直接感染や、くしゃみや咳などにより飛沫感染し、主に熱、咳、痰、呼吸困難などの呼吸器症状が起こります。合併症として高齢者では肺炎、乳幼児では髄膜炎を起こすことがあります。

髄膜炎について

乳幼児の細菌性髄膜炎の約6割がこのHibによるものと言われ、5歳未満の乳幼児2,000人に1人が発症すると言われています。適切な治療がなされたとしても、5%が死亡、25%に聴覚障害やてんかん、発達の遅れなど重度の後遺症が残るとされています。

それでは、Hibによる髄膜炎が乳幼児に多いのはなぜでしょう。

風邪をひくと咽や鼻などで炎症が起こるので、炎症を起こした部分で血液中の血漿成分が染み出してきます。Hibは血漿の力を借りて増殖する習性があるので、咽や鼻にHibがいるとそこで増殖することになります。大人は免疫機能が高いので、菌が髄膜まで達することは稀ですが、免疫機能が不十分な乳幼児では、菌が髄膜にまで達して炎症を起こしてしまうことがあります。髄膜炎は細菌が原因のものとウイルスが原因のものに大きく分けられますが、細菌が原因であるものの方が重症度の高い傾向にあるようです。

症状

髄膜炎を起こしたときは発熱、頭痛、嘔吐、意識障害、痙攣、項部硬直(首の後ろの硬直)などが起こります。しかし、早期には発熱以外、特別な症状がみられないことも多く、風邪などと見分けにくいため、現在の医学では早期診断が大変難しいことがわかっています。

検査

痰、分泌物や、髄膜炎の疑い例では髄液、敗血症の疑いでは尿を検査し、Hibが分離されれば確定となります。血液検査では白血球の増加、CRPの上昇がみられます。

治療

一般的にはペニシリン系の抗生物質を約2週間投与し、菌を死滅させます。また、聴力障害などを予防するためステロイドを早期に併用します。しかし、最近では耐性菌(一部の薬剤に対して抵抗力をもった菌)が増えてきており、Hibの6割〜7割が、薬剤に対してなんらかの耐性を持っていると言われています。耐性菌の出現により、従来の薬剤では思うように治療の効果がでない可能性もあるので、ワクチン接種により、まず感染を予防することが効果的であると言われています。

ワクチンについて

Hibワクチンは、発展途上国を含む100カ国以上で定期接種に組み込まれています。米国では1987年にワクチンが認可されて以来、Hib感染症が100分の1に激減しており、イギリスでも1992年にワクチンが認可されてから、1998年には5歳未満人口のHib罹患率が10万人あたり0.6人にまで減少したと報告されています。

  • ワクチンはどこで打てますか?
    日本は今まで厚生労働省の承認がなく、国内でワクチン接種をすることができませんでしたが、2007年1月に厚生労働省に承認され、国内でのワクチン接種ができるようになりました。しかし、ワクチンそのものがまだ国内で発売されていないため、現在はワクチンを個人輸入している医療機関で接種をしています。国内でのワクチン発売は2008年春頃の見通しと言われています。
  • どんなスケジュールで接種しますか?
    今回日本で発売されることになったワクチンは同時接種ができるもので、標準的には0歳〜1歳の間のDPT(ジフテリア・百日咳・破傷風:3種混合)と同時接種することとなります。初回免疫として3〜8週の期間をおいて3回、その後、追加免疫として1年後に1回の合計4回接種が望ましいとされますが、国内で発売されたときに該当年齢を過ぎていた子供でも接種することができ、その場合は年齢により接種回数は少なくなります。
  • 費用はどのくらいかかりますか?
    現在、日本での接種は公費負担ではなく任意接種ですので、費用は医療機関によって違います。国内でのワクチン発売後の接種費用は、1回7,000円ほどとみられており、該当年齢では4回接種が必要なので合計28,000円ほどかかります。
  • 違うワクチンを同時に打っても大丈夫ですか?
    諸外国ではHibワクチンも含めた数種類のワクチンを同時接種していますが、同時接種を行ったことでの健康被害はみられていないとのことです。
  • 小さい子だけ打てばいいのでしょうか?
    5歳以上の年長小児や成人でも、HIV感染者や免疫グロブリン欠損者、悪性腫瘍で化学療法を受けている人など、感染に対するリスクが高い場合は1回接種を受けるべきであると言われています。
  • 副反応は?
    ワクチンの種類は不活化ワクチンで、日本国内で行われた治験接種のデータでは、局所(注射部位)が腫れたり、赤くなったりする、硬結(しこり)などが約半数にみられましたが、発熱などの全身症状はきわめて少なく、局所症状も数日でなくなり、安全性についても重篤なものはみられなかったという報告がされています。

おわりに

Hibという病気そのものは、割合古くから知られていたものですが、日本では国や学会などの専門機関での髄膜炎の実態把握が不十分であったことで、ワクチンの必要性が認識されずワクチン承認に時間がかかったと言われています。細菌性髄膜炎は重症化しやすい病気ですので、これを機にワクチン接種についてご検討されてみてはいかがでしょうか。

監修 救急救命東京研修所 教授  名倉 節
引用参考文献 医学書院 医学大辞典

●情報提供:T−PEC保健医療情報センター

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