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今月のテーマ『乳がん〜検診・検査で早期発見〜』

ここ30年、食生活やライフスタイルの変化などに伴い、20人に1人が乳がんにかかると言われるほど急増しています。乳がんは早期に発見し適切な治療を受ければ、90%以上が治せる病気と言われており、そのためには乳がん検診が重要と言われています。10月は乳がんの早期発見、早期治療を啓発するための『乳がん月間』です。今回は自己検診と乳がん検診を中心にご説明します。

乳がんとは

乳がんとは乳房の中の「乳腺」にできるがんの総称で、がんが乳管や小葉にとどまっている「非浸潤がん」と、乳管や小葉の外にも広がっている「浸潤がん」に大別されます。「非浸潤がん」は乳管内にとどまっている段階であればほぼ治ると言われており、「浸潤がん」は転移や再発の可能性が高いと言われています。発生しやすい場所としては一番多いのが乳房の外側の上部(全体の約50%)、次に内側の上部(約30%)、外側の下部(約16%)、乳首周辺(約9%)、内側の下部(約9%)と続きます。

検診について

乳がんは検診をきちんと行えば小さなしこりでも発見できるため、定期的に検診をして早期に受診することが大切です。検診には自己でできるものと、検査にて行うものがあります。

1. 自己検診

乳がんは身体の表面に近い部分に発生するため、観察したり触れたりすることで自分でも見つけることができる数少ないがんのひとつです。そのため自己検診で自分の乳房をよく観察して、普段の状態を知っておくことが大切です。

【1】自己検診のポイント

自己検診は1ヶ月に1回行います。

例)閉経前の方・・・月経が終わってから1週間の間
閉経後の方・・・月1回決まった日(毎月1日など)

【2】検診方法
  1. 鏡の前で腕を上げた状態と下げた状態で行います。
  2. 4本の指をそろえて乳房に当て、滑らせるようにしてわきの下から乳首までさわり、しこりや硬くなっているところはないか、乳首をつまみ乳首から分泌物が出ないかを観察します。
  3. 鏡を見て乳房のひきつれ、くぼみ、乳輪の変化、乳房や乳首の形や色に変化がないか、また左右を比較して乳頭の位置にずれがないか観察します。

2.乳がん検診

症状がなくても定期的に乳がん検診を受けることが大切です。無症状のうちに検診を受ければ、早期の乳がんが発見される可能性が高くなります。自治体による検診は40歳以上対象で隔年に行うところが多いようですが、できれば年に1回自主的に受けることが望ましいと言われています。一般に自治体や人間ドックなどで行われる検診には、「視触診」、「超音波検査」、「マンモグラフィ検査」の3種類があります。

【1】視触診

医師が目で観察をし、触診でしこりがないか、リンパ節が腫れてないか調べます。身体への負担はかかりませんが、発見できるのはある程度大きくなったしこりです。

【2】マンモグラフィ検査

マンモグラフィ検査は乳房をプラスチックの板にはさんで、X線装置で乳房全体を撮影する検査です。視触診だけでは発見できないしこりや、石灰化のある小さながんの発見に適しています。しかし、乳腺密度の高い人や若い人はわかりにくいことがあるので、その場合は超音波検査を併用することもあります。乳房をはさんで平たくするため痛みを伴う場合があるので、乳房の張りがない月経が終わって1週間の間に受けられるのがよいでしょう。

【3】超音波検査

超音波を利用した画像検査です。医師の視触診などでは発見できないしこりや、見つかったしこりが良性か悪性かを診断する場合に用いられます。X線を使わないので、身体への負担は軽く痛みもありません。乳腺密度の高い人や若い人、妊娠している人への検査に適していると言われます。
 厚生労働省は「視触診」と「マンモグラフィ検査」を乳がんによる死亡率を減少させる検診として推奨しています。またこれらの検査で乳がんが疑われる場合は、細胞診・組織診・MRI・CT・センチネルリンパ節生検などの精密検査を行います。

おわりに

乳がんを早期発見するには、乳がん検診を定期的に受けるとともに、自己検診を習慣づけることが大切です。自己検診して普段の乳房の状態を把握しておくとよいでしょう。
そして、自己検診でしこりが見つかったり、乳がん検診などで異常が見つかったりして再検査の指示があった場合は、乳がん専門医がいる外科や乳腺外科などを受診しましょう。

監修 順天堂大学医学部附属順天堂医院 小児外科 先任准教授 岡崎 任晴
参考文献 標準外科学 第10版 医学書院
今日の治療指針 2009年版 医学書院

●T−PEC保健医療情報センター 発行

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