知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『熱中症』

昨年の夏は、近年稀にみるほどの真夏日・猛暑日が続き、熱中症による健康被害も多数報告されました。 気象庁によると、今年の夏(6月~8月)の平均気温は平年並み、もしくはそれより高くなることが予測されているようです。また、今年の事情として一般家庭においても電力不足に伴う節電への取り組みを行うよう政府から発表されていることもあり、節電対策としてのエアコン使用抑制等に伴う熱中症の発症が懸念されます。
そこで今月は熱中症についての情報をお伝えしていきます。

1.熱中症とは? ~どのようなものなのか

  • 高温多湿な環境下で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能がうまく働かなくなることで体内に熱がたまり、筋肉痛や大量の発汗(重症になると汗が出ない場合あり)、吐き気や倦怠感などの症状があらわれます。さらに重症になると意識を失ったり、朦朧とすることもあります。
  • 単に環境の影響だけで起こるのではなく、もともと体調が良くない、暑さに体が慣れていない状態などの個人的な状況に加え、気温や湿度などの外的な要因が組み合わさることにより発症率が高まります。また、必ずしも屋外で直射日光に当たらなくても、室内で就寝中に熱中症を発症する事もあります。

2.熱中症の予防 ~「水分補給」と「暑さを避けること」が大事

1)水分・塩分補給 = こまめな水分・塩分の補給を

※特に高齢者や小児はのどの渇きを感じなくてもこまめに水分補給を心がける

2)室内環境の調整 = 扇風機や冷風扇、エアコンなどを使った室温の調整を

※遮光カーテンや、すだれなどで窓から入る直射日光を遮る、家の周囲に打ち水をするなど

3)外出時の準備 = 外出をする際は、熱中症を防ぐための準備を

※日傘や帽子の着用、水分をペットボトルに入れて持ち歩きいつでも水分補給できるようにする、通気性のよい衣類を着ることや暑い時はすぐに脱げるような洋服を着用するなど

3.注意していただきたいこと ~このようなことにはお気をつけください

1)暑さの感じ方は人それぞれ違う

※同じ気温の環境下でも人と自分が同じ感覚とは限らない。人それぞれ暑さの感覚が違うことを認識し、自分が暑くなくても周囲の人々の温度感覚にも気を配ること

2)高齢者は特に注意

※熱中症患者の半数は65歳以上です。高齢者は暑さや水分不足に対する感覚機能や調整機能が低下しています。特に暑さや渇きを感じていなくても室温調整と水分補給を

3)小児は活動前と活動中の水分補給を。 顔色の変化にも注意

※小児も高齢者と同様に、特に喉の乾きを訴えていなくても定期的に水分補給を心がけること
※小児は体温が上がると汗が多量に出始め顔が赤くなってくるため、その際は水分を補給し、日陰で休ませる、うちわであおぐなど、体温をできるだけ下げるような処置を行うこと

4)節電を意識しすぎない

※政府から節電対策への奨励が出ているものの、健康被害を起こすほどの無理な節電は危険。
けして無理はせず、適度に扇風機やエアコンを活用しながら熱中症の予防を心がけること

熱中症のような症状になった時は・・・涼しい場所へ避難させる、身体を冷やし、衣服を緩める、水分・塩分を補給する
自力で水分を取ることができない、意識がない、または朦朧としている場合は・・・ただちに救急車要請を!!!

●東京海上日動メディカルサービス 発行

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