知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『子どもの食に関する解決アイデア』

離乳食が完了したのち、お子様の好き嫌いなど食事に関する悩みが増える傾向にあります。
平成17年度の乳幼児栄養調査によると、子どもの食事で困っていることとして、1位:遊び食い 2位:偏食 3位:むら食いが挙げられています。
今回は、子どもの食事に関するお悩み解決方法をご紹介いたします。

1.遊び食い

食事中の食べこぼしや遊び食いは離乳食中期以降によくみられますが、3歳くらいになると上手に一人で食べることが出来るようになります。
ポイントは食事に集中できる環境づくり。食事の時間であることを伝え、一緒に手を洗ったり食事エプロンなどの準備をし、おもちゃを片付けたりTVを消したり等、食事に集中できる環境を作りましょう。
子どもが集中して食事を食べることが出来る時間はせいぜい15~20分程度です。長時間食事に向かい続けていることは、食事そのものが嫌いになりかねません。無理強いは控えましょう。

ポイント
集中して食事が出来るように、テレビやおもちゃなど興味の対象となるものを食卓の周りに置かない
食事中に遊びだしたら「食事はおしまい」と声をかけて片付ける

2.偏食

平成7年の乳幼児栄養調査によると、野菜嫌いと回答した1歳児は56.4%、2歳児は75.4%、3歳児は84.4%という結果があります。3歳以降、成長と共に社会性が身につくにつれ、こだわりが薄れてくることが多いもの。数日間の食事で総合的に栄養バランスがとれていれば、さほど気にすることはありません。
ただ、「牛乳だけ1日1ℓのみ、食事を全く食べない」「おかずを食べず、うどんの麺しか食べない」などの単品摂取に偏る場合は、栄養バランスが偏り必要な栄養素がとれていない状況があります。その場合には、積極的に改善する必要があります。

ポイント
家庭の食事に利用する食材の偏りがないかどうか見直す、偏りのある場合は食材のバリエーションを増やす
嫌いなものは他の栄養素が同じ仲間の食品(色の濃い緑黄色野菜同士で交換する等)で代用する
調理の工夫をする(細かく刻む、臭みを消す)
外食やお弁当を持参して屋外でお友達と食べるなど、食事をする環境を工夫する
子どもと一緒に調理をする

3.むら食い

離乳食は順調に食べ進めていても、成長と共にそのときの感情により食欲が左右されることがあります。しかし、大人でも感情によって食欲の増減はよくあることなので、数日間の平均で食事がとれていればひとまず安心してもよいでしょう。

ポイント
生活リズムを見直す(遊びは十分か、食事とおやつの間隔があいているか、空腹であるか)
食欲のないときは無理強いしない
感情的に振舞っている場合、受容し静観する

4.食が細い・食欲がない

食事量は個人差があります。周りの同年代の子どもと比較して食べる量が少ないと思われても、バランスよく食べていて、顔色がよく健康な状態であれば心配ないことがほとんどです。だらだらと甘い飲み物やおやつを与えていませんか?食事前にはお腹が空いた状態を作ることも食事量アップの秘訣です!

ポイント
規則正しい生活を送る
食事前に体を使う遊びをとりいれる
間食の時間や質と量の適正化を図る
少ない量でも栄養価の高い食事になるような献立にする

日々の食習慣の積み重ねがお子様の健康づくりの基盤になります。毎食の食事の準備だけでも大変なのに、その上食べてくれないととても悲しいもの。1日のうち、トータルで食事のバランスがとれていれば細かく考えないでも大丈夫。食事に関する悩みは、成長と共に時期が来れば自然と改善することも多いものです。ゆったりとした大きな目で見守りましょう。

(より詳しいアドバイスが欲しい方は、コープ共済健康ダイヤルの育児・食のご相談をご利用ください。)

参考
子どもの栄養と食生活-小児栄養-医歯薬出版

●東京海上日動メディカルサービス 発行

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