知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『日常生活における紫外線対策』

夏場にピークを迎える紫外線量。一昔前は、小麦色に焼けた肌が健康的に捉えられてきました。近年、この日焼けに関する考えが変わってきています。
しみやしわ、色素沈着などの美容に対するデメリットのみならず、健康を害する可能性のある皮膚がんや免疫疾患、白内障の発生率を高めるという報告があります。このような紫外線の弊害を認識し、アメリカやオーストラリアでは紫外線を予防する対策がとられているのです。
今回は日常生活における紫外線対策についてご紹介いたします。

紫外線の種類

地上に降り注ぎ私たちが浴びているのは赤外線・可視光線・紫外線(UV-A、UV-B、UV-C)の3種類です。

紫外線のうち、
UV-Aが日常生活で浴びる機会が最も多く、しわやたるみの原因となり、メラニン色素を生成し色素沈着を引き起こします。
UV-Bは近年のオゾン層の破壊により地表に届くようになった紫外線で、夏場の晴天時には注意が必要です。有害性が強く、しみやしわの原因になるだけでなく皮膚がんや白内障などの病気と関連があるようです。
UV-Cが紫外線の中で最も有害ですが、オゾン層でとどまる為、日常生活には問題ありません。
紫外線は直接太陽から届くもの(直達光)だけでなく、空気中で散乱して届くもの(散乱光)、さらに地面等で反射して届くもの(反射光)があります。そのため、総合的に対策を考える必要があります。

紫外線の影響

紫外線は、病気と関係していると考えられています。

急性 日焼け 紫外線角膜炎 免疫力低下
慢性 (皮膚)しわ しみ 良性腫瘍 前がん症(日光角化症、悪性黒子)皮膚がん
(目)白内障 翼状片

紫外線量のピーク

ピークを避けて戸外で活動すると、より紫外線を浴びる量が少なくなります。

年間 6月から8月に最も紫外線が強くなります。
(4月~9月の間で1年間のおよそ70~80%の紫外線量)
時間 正午ごろ
(午前10時~午後2時に1日のおよそ60%~75%)
天気 快晴>晴れ≧薄曇り>曇り>雨
曇りの日や雨の日でも晴天時と比較して量は少ないものの、注意が必要です。
反射率 新雪80% 砂浜10~25% 水面10~20% コンクリート・アスファルト10%
草地・芝生・土面10%以下
場所 日陰は日向の50% 屋内は屋外の10%

対策のポイント

小さいお子様は、大人と比較し地表の熱や反射する紫外線を受けやすいため、保護者の方は対策に十分な配慮が必要です。直射日光が当たらないように帽子や日よけを利用し、外出時間も正午前後2時間のピークを避けた時間帯が望ましいでしょう。
目の曝露に限ると、帽子着用で20%減、UVカットのサングラス着用で90%減が軽減されるとのこと。日焼け止めと合わせて上手に利用するとよいですね。
紫外線を浴びると増加する活性酸素対策としては、抗酸化作用のある栄養成分をとると良いでしょう。緑黄色野菜に多く含まれるベータカロテンや野菜や果物に多く含まれるビタミンC、うなぎやかぼちゃ、ナッツ類に多いビタミンEを意識して摂ることをお勧めします。

紫外線の有害性と対策についてご理解いただけましたか?
紫外線予報は、新聞やテレビを通して気象庁から発表されています。情報を確認し、服装や活動時間の変更など上手に利用するのも賢い方法のひとつです。
参考資料
環境省 紫外線環境保健マニュアル2008

●東京海上日動メディカルサービス 発行

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