知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『更年期を上手に乗り切る食事のコツ』

女性は40代に入ると様々な身体の変化を感じ、更年期に向かって身体が変わってきていることを感じます。影響としては、心理的影響(いらいらする)、物理的影響(筋力低下、骨量減少)などがあります。ホルモンバランスの変化とともに、食べ物の量や質がアンバランスなことが原因の大半といわれています。
今回は、更年期を上手に乗り切る食事のコツについてお伝えいたします。

更年期とは?

更年期とは、「卵巣機能が衰えはじめ、女性ホルモンの分泌が減少する閉経を迎える前後の期間」のことを指します。
30代に入ると卵巣の機能が序々に低下し、40代半ば頃から月経異常・月経不順などが起こります。日本人の閉経年齢の平均は50歳といわれ、45歳から55歳頃までが更年期といわれています。

身体の変化は?

女性ホルモンの分泌が低下すると、このようにさまざまな影響があります。
これらの症状には個人差があります。

  • 太りやすい
  • 頭痛
  • ほてり
  • イライラ
  • 肩こり
  • 月経異常
  • めまい
  • 不眠
  • コレステロールが上がる
  • 骨密度が下がる

食事のポイント

コレを食べれば更年期症状が治るという食品は、残念ながらありません。
しかし、これらの症状を補うための食べ方のコツがありますのでご紹介いたします。

(1)消費カロリーを見直す ~肥満防止~

加齢とともに基礎代謝は低下します。それは、生活活動量に変化がなく、食事量に変わりがない場合、太ってしまうということです。
消費エネルギー量に応じて、食べる量を調整しなければいけないということですね。体重の増減や日常の生活と照らし合わせ、現実的な摂取エネルギーを確認しましょう。

(2)野菜はたっぷり ~食物繊維をしっかり~

野菜に含まれる食物繊維は、余分なコレステロールを体外に排出してくれる作用があります。また、血糖値の上昇をゆるやかにし、満腹感も得ることが出来るのです。加えて、ビタミン・ミネラルや酵素も補うことが出来ます。

(3)たんぱく質&カルシウム・ビタミンD ~運動を組み合わせて骨量・筋肉維持~

更年期以降の身体は、骨からカルシウムが流出しやすくなるとともに、筋力が低下しやすいという状況になります。筋力が衰えるため筋力を維持するための運動を取り入れるといいですね。
骨量を維持するためにはカルシウムやマグネシウム補給がポイントですが、多く含まれる乳製品にはコレステロールが多く、注意が必要です。また、カルシウムの吸収率を高めるにはビタミンDと一緒にとることが、吸収率をアップさせるコツです。ビタミンDは、鮭やかじき、うなぎなどの魚類や、きくらげやしめじ、干ししいたけなどのきのこ類に多く含まれています。
また、骨の代謝を整えたり、軟骨の原料となるのがコラーゲン。コラーゲンはアミノ酸から作られるため、その元となるたんぱく質を適量とるとよいでしょう。コラーゲンだけをとっても、そのすべてがコラーゲンにはならないのです。
たんぱく質は肉をやめて大豆製品のみに、または、炭水化物は太るのでごはんを食べないなど、偏った食生活はかえって体調を崩してしまうこともあります。メディアの情報に流されず、自分に見合った本来のあるべき食事について考えてみましょう。

食事に関することでお困りの際は、CO・OP共済健康ダイヤルの管理栄養士による栄養相談をご利用ください。

●東京海上日動メディカルサービス 発行

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