知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『夏バテしてしまい食欲がわきません。どのように食事を工夫すればよいのでしょうか。』

夏バテとは高温多湿の環境下での生活により、体に負担がかかり体の調節機能がうまくはたらかなくなって、様々な体調不良を起こす状態のことをいいます。
夏から初秋は「なんとなく体が重い・だるい、疲労感が強い」「寝苦しくてなかなか寝付けず、ぐっすり眠れない」「寝ても疲れが抜けない」「食欲がわかない」などの不調に悩まされる方が多い季節です。
今回は「食欲がわかないときの食事の工夫」について紹介いたします。

食欲低下の原因

クーラーの効いた室内と、暑い屋外との温度差により自律神経の不調を招くことが一番の原因になります。また、蒸し暑い日が続くと冷たいものが欲しくなります。これは自然なことですが、欲求のままにアイスコーヒーやビール、清涼飲料水などの冷たい物を飲みすぎると、胃腸が冷え、消化吸収機能が低下してしまいます。さらに夏場は火を使う時間が極力少なく、簡単な調理方法が好まれ、のど越しのよいそうめんや冷麦、そばなどの冷たい食事をとることが増えがちです。これらの麺類はおかず無しで食べることが多く、栄養バランスの偏りも重なり、だるさや疲労感に繋がります。

食欲がわかないときの食事の工夫

少量にして食べる

たっぷり盛り付けられた食事を見ると、それだけで食欲がなくなってしまうことがあります。少量にして盛り付けることにより、視覚的な情報が心理的効果をもたらし、食欲増進に繋がります。

スパイスやハーブ、香味野菜で食欲増進

カレーに使われるスパイス類やにんにく、生姜、しそ、梅、みょうがなど香りや酸味のあるものには食欲を増進させるはたらきがあります。ごま油やねぎ油、七味唐辛子や柚子胡椒も少量をアクセントに使うと、風味が変わって食欲を刺激します。

冷たい飲み物・食べ物ばかりとらない

冷たいものは、一気にがぶ飲みしたり続けて食べたりしないようにし、食事では温かいメニューもとりいれるようにします。冷たい食事をした時は、食後に温かいものもとり、おなかを温めましょう。

栄養バランスを整える

麺類のようなあっさりしたメニューを選びがちになりますが、いろいろな食材がとれるようなメニューがおすすめです。食事を栄養バランスから見てみると、麺類1品だけのお食事では炭水化物に集中し、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しがちです。たとえばそうめんの時は、それらがカバーできるように、おかずをプラスして1皿に盛り付けるような形にすると栄養バランスが良くなります。

  1. 1温泉卵+茹でおくら+なめたけ+わかめ
  2. 2サラダチキン(or唐揚)+サニーレタス+トマト+ブロッコリー+マヨネーズ
  3. 3納豆+梅+しそ+大根おろし
  4. 4豆腐+さば缶詰+トマト+胡瓜+しそ+みそ+すりごま(冷汁風)
  • 外食時は上記の内容を意識し、使用食材の多いメニューを選ぶのがおすすめです。
  • 調理が難しいときはできあいの惣菜をベースに野菜を加えてアレンジしたり、缶詰や冷凍野菜などをストックして利用したりすると便利です。
  • 果物にも野菜同様にビタミン・ミネラルが多く含まれます。また、適度な酸味があり食欲がない時でも受け入れやすく、消化を促進させるはたらきもあるのでおすすめです。

●東京海上日動メディカルサービス 発行

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