知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『高齢者の肺炎球菌ワクチンを過去に接種していますが、定期接種を受けることはできますか。』

過去に接種している場合は、接種したワクチンの確認が必要になります。

肺炎による死亡者の9割以上が65歳以上の高齢者といわれ、肺炎の原因菌の中で最も頻度が高いのが「肺炎球菌」です。肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌による肺炎の発症や重症化を防ぐことが期待されています。
日本国内では、2014年に「プレベナー13」というワクチンが65歳以上の高齢者に接種可能となり、すでに承認されていた「ニューモバックス」と合わせて2つの肺炎球菌ワクチンが使用できるようになっています。
「プレベナー13」は13種類の肺炎球菌の血清型抗原を含み、肺炎を起こしやすい肺炎球菌の約70%にその効果があるとされています。
「ニューモバックス」は23種類の肺炎球菌の血清型抗原を含み、肺炎を起こしやすい肺炎球菌の約80%にその効果があるとされています。

公費助成制度*の対象となる肺炎球菌ワクチンの定期接種では「ニューモバックス」を1回接種します。

過去に「ニューモバックス」を自費で接種している人は、定期接種の対象外となってしまい、それでも再接種を希望される方の場合、費用は全額自己負担となります。
過去に接種したものが「プレベナー13」であった場合は、「ニューモバックス」を定期接種として受けることができます。

なお、再接種するには、前回接種してから5年以上経過していること、という条件があります。
この理由は、5年以上経過している人は、肺炎球菌に対する抗体が低下してくるためです。また、5年以内に再接種した場合、注射した部位の痛み、赤く腫れて硬くなるなどの副反応が、初回接種時よりも頻度が高く、程度が強く発現するとの報告があります。
再接種をおこなうかどうかについては、かかりつけ医とご相談していただくとよいでしょう。

どちらを接種したか不明の場合は、接種した医療機関にご相談されてみるとよいでしょう。

  • 公費助成の有無や内容については、各自治体にお問合せください。

●東京海上日動メディカルサービス 発行

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