知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『ドライアイと診断されました。目薬を処方されましたがあまり効果が感じられません。』

ドライアイとは、涙の乾きなどの異常により、目の表面の健康が損なわれる疾患です。さまざまな要因により涙液層(るいえきそう)の安定性が低下し、眼の不快感や視機能異常を生じ、酷くなると眼表面の障害を伴うこともあります。
原因としては、加齢による涙の分泌量や質の低下、乾燥した環境、VDT作業(パソコン、スマートフォンなど、モニターを見つめる作業)などがあげられます。また、内科的疾患、お薬による副作用など、病気が背景にあり症状が現れている場合もあります。ドライアイの原因が判明している場合は、その治療や対処が優先されます。

症状と経過にもよりますが、点眼薬や手術などの治療が選択されます。

症状が軽度であれば、人工涙液やヒアルロン酸製剤の点眼薬で、足りなくなった涙を補い潤いをあたえると症状が楽になります。
それでも改善が見られない場合は、涙の質を改善する点眼薬が処方されます。

点眼薬を用いても症状が改善されない場合は、目頭にある涙点(涙点から鼻にかけて鼻涙管があり、涙点から涙が鼻に流れます)に栓をして、涙を眼にとどめる手術があります。これにより、自分の涙で自分の眼を潤すことができます。

また、症状が重篤な場合は、自分の血液から涙の成分に近い点眼薬をつくる自己血清点眼療法というものもあります。採血をしてご自身の血液から、血液中の成分を調整し点眼薬にします。

点眼薬で効果をすぐに実感できる場合もありますが、すぐには効果を感じられない場合もあります。まずはしばらく様子をみてみましょう。
また、眼の保湿のために、加湿器を用いたり、エアコンの吹きだし口をさけること、市販のドライアイ専用メガネの使用も有効です。長時間のパソコン、スマートフォンなどの使用や、運転では、瞬きの回数が減るのでドライアイ症状を悪化させることも指摘されています。適度に休みをとりつつ、眼をいたわりましょう。

●東京海上日動メディカルサービス 発行

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