

お金と上手に付き合うのはなかなか難しいものです。お金は社会で生きていくためには必要ですが、振り回されて自分の人生をしっかり生きられなければ本末転倒になってしまいます。
一方、家計のご相談を受けているとお金と上手に付き合っている方にも出会います。そんな「幸せなお金持ち」の方々は2つのバランスがよいことに気づきました。
その1つはお金の知識や管理に長けていること、2つ目はお金に対する向き合い方が自由で前向きなことです。
私は前者をマネースキル、後者をマネーマインドと名づけています。
マネースキルだけが高いと貯蓄残高や投資することに固執したり、節約が強迫観念にまでなってしまいがちです。反対にマネーマインドだけで対応していると、本人の行動力と精神力に頼って無駄な動きをとりがちです。お金の出入りも安定しません。つまり、2つのバランスがとれていて、かつ両方が長けていることがお金力のある「幸せなお金持ち」といえます。
なお、ここでいうお金持ちとは貯蓄残高が高い人、という意味ではなく「必要な時に、必要なだけお金を使える状態の人」と定義しています。マネースキルが高ければお金や人生に対する心配事が減りますし、マネーマインドが高ければ日々豊かさを感じられ、人生を生き生き楽しく過ごせます。
以下はマネースキルとマネーマインドのチェックシートです。あなたのお金力をチェックしてみましょう。
チェック項目 | チェック![]() |
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昨年いくら貯畜したかわかっている | |
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毎月の生活費と年間に出ていく生活費がわかっている | |
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現在の貯蓄残高がいくらか知っている | |
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毎月の生活費の予算を決めていて、毎月概ね予算を守っている | |
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不意の出費に備える口座を持っている | |
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今後10年以内に必要な資金の種類と金額を知っている | |
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年間で支払う住宅関連費用がいくらかわかっている | |
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(未成年の子どもがいる方)教育費がこれからいくら必要か、子どもごとにわかっている | |
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老後を目的としてなんらかの貯蓄をしている(私的年金、積立貯蓄) | |
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加入している保険・共済の内容を理解している |
チェック項目 | チェック![]() |
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買い物をしたあと後悔することが多い(または、買ったものへの執着が買ったとたんなくなる、買い物自体に罪悪感がある場合も含みます) | |
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自分より貯蓄が多い人を見ると落ち込む | |
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今の職を失っても自分は何とかなると思う | |
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来月から収入が半分になるとしたら、乗り切る方法をすぐ3つ以上思いつく | |
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自分のために使うことと他人のために使うお金のどちらかが極端になっている | |
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お金を自分の力で生み出すことより、節約を重視している | |
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親のお金の使い方の影響を受けていると思う(良いこと、悪いことの区別はしないでください) | |
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物を買うとき、それが社会にどのような影響が及ぶか考えている | |
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自分の幸せと貯蓄の残高は関係ないと思う | |
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人の職業、持ち物、学歴、収入などでつい勝ち負けを意識してしまう。(または、引け目や優越感を感じることがある) |
※ マネースキルは「はい」が1問1点
※ マネーマインドはが「はい」の場合1問1点、
は「いいえ」が1問1点
0〜4点=低い 5〜7点=ふつう 8〜10点=高い
いかがでしたか?今は数値が低くても大丈夫。バランスの低い方を少しづつあげていきましょう。あなたもきっと「幸せなお金持ち」に近づきますよ。
では、2つのお金力を上げるにはどうすればよいでしょう。まず、マネースキルを上げるにはお金の貯まる習慣を身につけることが第一歩です。特に次のことが大切です。
貯蓄ができる仕組みを作る
その仕組みを繰り返し達成することで自信をつける
を繰り返すことで家計管理が習慣化できます。ここでは、より多く貯蓄することより、あくまで自分と約束した自分の予算を守って、お金が残せた実績を自分の経験にすることが大切です。具体的には手取り収入から必要な貯蓄金額分を積立貯蓄で先に貯めていき、残りを月の予算にして生活するということです。
次に、お金のマインドを上げるには自分がとらわれているお金に対する固定観念を手放すことが肝心です。
例えば、こんな固定観念に縛られていませんか?
お金自体はプラス要素もマイナス要素もない中立な「単なる交換手段」です。物々交換をより広範囲に多種類を交換できるように発明されたツールに過ぎません。つまり、あなたのお金に対する固定観念はそれがポジティブなものであれ、ネガティブなものであれ、事実ではないということをまず認識してください。
ならば、お金は中立だと思い直すことで、「お金が入ってくること」「お金が出ていくこと」「お金を貯めること」をより軽やかに行うことができるはずです。
お金は道具。使い方を知り、気持ちよく使って自分や家族を幸せにしましょう。お金は手段、幸福が目的なのですから。
次回で、さらにマネースキルとマネーマインドを磨く方法を掘り下げてみたいと思います。
◆株式会社ライフアンドマネークリニック
波多間純子