FPによる知って得する!くらしとお金の話

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生協と子育てとお金の教育のこれから

子どもたちの身体と心を健やかに育んでこそ、積み上げることができるライフスキル※1。お金の教育はその中の1つです。私が金銭教育の活動を始めたのは2002年、ニートやフリーターの青年が増え続けた時期でした。また、さまざまな事件の裏にはお金が関係する場合が多く、金銭関係のトラブルを防ぐためにもお金の教育が必要だと考え、小学生とその保護者を対象に、身の丈に合った金銭感覚を養う教育からスタートしました。現在は、厳しさを増す日本経済への向き合い方と、障がいをもつ青少年へのお金の教育も活動に加わっています。

さて、コラムも最終回です。私が生協に期待することをまとめます。

金銭教育から見る生協の強み

多くの生協での金銭教育活動は、2004年からスタートしています。各生協のくらしのお金について学び合う活動の担当者が、生活者、消費者の視点を持ち、わが子に接するように子育ての一環として取り組まれていることが特徴です。生産者との距離が近いことは、生活に直結する経済を学ばせるにはもってこいで、大いに活かしたいつながりです。また、組合員の家族には、乳幼児から独立した子どもがいて、6年、3年と区分された学校制度よりも長い関係を築けるため、家庭教育の一部として年代に応じた学びの場が多く企画できることも、ほかにない強みです。

生協の協働の力とマッチする金銭教育

経済は、人々が作り出す物やサービスを消費する活動です。お金はこれらを入手するときに交換する手段です。そのお金が流れず、人も地域も企業も元気がなくなってきていると言われますが、その一方で今、多くの生活者は、これまでの大量生産、大量消費の時代は終わったこと、成熟しつつある日本経済に、新しい流れが出てきていることに気づいていることでしょう。例えば、地域社会の課題解決に向けて、NPO、個人、企業などが協力しながらビジネスの手法を活用して取り組むソーシャルビジネス(SB)やコミュニティビジネス(CB)※2 が盛んになってきています。生協も同じですが、これらの活動の目的は、競争に勝つことではなく地域社会の問題を解決し、地域を良くすることです。

利益の最大化を目指す企業などと協働する集団に所属する人の意識の違いが判る言葉があります。「シェア」という言葉です。経済成長を優先的に考え仕事をしてきた人には「市場占有率」と理解され、競争の意識が含まれていると感じます。一方で協働する集団の方たちは「共有」という意味で使うのです。私のめざす金銭教育は、子どもたちが進学や就職のように競い合ったり、他者から優劣をつけられるものではありません。みんなが幸せになれる教育です。私は、共に幸せになる価値観の中にこそお金と上手に付き合う成長があるように思います。

出資と利用と運営への参加、そして社会的投資

生協は、組合員1人ひとりの出資金が元手となり運営されています。出資金の使い道や商品のことなどに組合員は意見を出すことができて、活動に参加ができる組織です。組合員がものやサービスを利用することで、大切な商品やそれを作る人と業界を守り、育てていくこともできます。消費者の買う・買わない、選ぶ・選ばないという行動そのものが、支持する・支持しないという意思表示であり、経済社会全体に消費者の意向を発信しやすい組織でもあります。

各地の生協における食に関係する活動、くらしを見直す活動、地域の課題に取り組み、安心できるコミュニティをつくる活動、地球保全や未来を考える活動などは、多くの組合員によって支えられています。これらの活動によって、地域が豊かになっていきますから、組合員の活動は地域に対する「投資」の1つとも言えるでしょう。

生協の社会的投資を教育に積極的に使ってほしい

一般的に、投資というと最終的に金銭で測ることが可能な利益を目的とする「株」や「不動産」を連想されることが多いのですが、生協の投資先は「地域社会の課題」です。生協の活動や施策は、地域全体の幸福度が高まるというリターンにつながります。より多くの組合員の皆さんが、自分たちの活動が間接的に社会的な投資になっていることを意識し、より積極的につながることを自覚してほしいと思います。そして、この社会的な投資という活動を、ぜひ、未来を担う子どもたちへの教育に生かしていただきたいと思います。子どもたちに世の中の現状をしっかりと見せること、体験を積ませること、そして何より大人の私たちが世の中をよくしようと努力する姿を見せることで、子どもたちが社会の様々な困難を乗り越え、自らの力で地域社会の課題を解決していけるような力を身につけられると思うからです。

最後に

さて、先ほど生協の強みとして、様々な年代に応じた学びの場が企画できることをあげましたが地域の生協の多くは、親元から独立した時期の青年たちとの接点があまりないように感じます。もっと青少年への情報を発信する組織になってほしいですし、彼らと一緒に社会の問題を考え、解決のために実践する協働の仕組みづくりに力を入れてほしいと思います。

私自身は、これからの若者たちの幸せな生活とは、たくさんの収入を得て、物に囲まれ、余暇に時間とお金を使うことではなさそうに感じています。ソーシャルビジネスなどの業務に取り組むような新しい価値観で生きることに明るい未来が見えるように感じています。そしてこのような新しい価値観で生きる若い方々も多くいると思いますが、彼らの応援団になり、彼らが社会を変えていくことを楽しみたいと思っています。そして、金銭教育を行うファイナンシャルエデュケーター(金銭教育・普及活動を行う専門家)として、子どもたちみんなが幸せな大人になれるお金の教育、お金に振り回されないで生きるための提案を続けます。

2年間の連載、お読みいただきありがとうございました。

※1 ライフスキル:健康保険期間(WHO)は「日常の様々な問題や要求に対し、より建設的かつ効果的に対処するために必要な能力」と定義

※2 ソーシャルビジネス(SB)/コミュニティビジネス(CB):地域社会においては、環境保護、高齢者・障がい者の介護・福祉から子育て支援、まちづくり、観光等に至るまで、多種多様な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて、住民、NPO,企業など、様々な主体が協力しながらビジネスの手法を活用して取り組むのが、ソーシャルビジネス(SB)/コミュニティビジネス(CB)です。

◆ファイナンシャルエデュケーター
金銭教育総合研究所 マネーじゅく代表 陣内 恭子

金銭教育総合研究所 マネーじゅくの活動
全国に活動拠点を持つ金銭教育の研究をしながら指導者育成に努める任意団体です。子どもへの金銭教育、金融経済教育、消費者教育、キャリア教育等、オリジナルプログラムを使いながら体験・体感型ワークショップで、親子での学習や学校授業のサポートなどを行っています。大人へは家計管理のアドバイス、家庭でできる子どものお金の教育を指導しています。

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