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第23回 消費税に負けない!家計改善相談室(6)60代 セカンドライフ期 相続に備え始める

<Mさん一家 プロフィール>
夫69歳 厚生年金
妻67歳 国民年金
子どもは 40歳長男(一人息子) 孫2人
貯蓄額5,500万円 持家一戸建て(宅地評価額:3,500万円・330u未満、建物評価は省略)

平成27年から相続税の基礎控除が6割に

夫「今年(平成27年の1月1日)から相続税が変わると聞きました。」

FP「はい。相続税の大きな変更点の一つは基礎控除の引き下げです。基礎控除とは財産に対する税金がかからない金額の枠のことですが、今年から従来の60%程度に引き下がるため、これまで相続税がかからなかった家庭まで適用範囲が及ぶようになります。」

夫「会社員だったのでこれといった資産はないのですが、自分に万が一のことがあった時に家族が困らないようにしておきたいです。」

妻「お金のことはすべて主人が管理してきたので、私にはよくわかりません。その上、相続の心配までしないといけないのは不安です。」

FP「確かにそうですね。ただやみくもに不安になる前に、相続税の基本的な仕組みを理解することが大切です。」

FP「ご主人を被相続人として試算すると、奥様と息子さんのお2人が相続人なので、相続税の基礎控除は4,200万円になります。つまり、現在のMさんのお宅は4,200万円を超える相続財産が原則相続税の対象になります。」

(1)相続税基礎控除の変更点

<改正前:〜平成26年>

基礎控除=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

<改正後:平成27年〜>

基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数

<Mさんを被相続人とした場合の基礎控除の金額>

3,000万円+600万円×2人=4,200万円

相続税には軽減制度がある

FP「ただし、相続税は残された家族が生活に困らないように配慮がされています。基礎控除の他にもさまざまな軽減措置がありますので、財産にまるまる税金がかかるわけではありません。相続財産を実際の価額より低く評価したり、財産の種類や相続する対象者によって非課税の枠を設けてあります。その一つが自宅です。残された配偶者がそのまま引き継いだ場合、330m2までの宅地の評価額を80%まで減らして相続税を計算します(小規模宅地等の減額特例)。」

夫「宅地の評価が3,500万円としたら評価額は700万円か。随分少なくなるものだね。」

FP「他にも、配偶者が相続財産を引き継ぐ場合、法定相続分相当額(Mさんの場合、妻は相続財産の1/2)か、1億6,000万円のいずれか大きい方の金額以下までは配偶者に対する相続税はかかりません。」

(2)相続税の配偶者税額軽減

配偶者の取得財産の価額が

  • 1億6,000万円
  • 配偶者の法定相続分

この2つのうちどちらか高い方までは非課税となる制度です。

夫「我が家はそこまでの財産ではないな。じゃあ、うちは相続税の心配をしなくて大丈夫ですね。」

FP「ご夫婦それぞれに万が一のことがあった場合に、残された配偶者が相続する時点(一次相続)ではおっしゃる通りです。ただし、次に息子さんが財産を相続する場合(二次相続)は注意が必要です。」

FP「息子さんが二次相続した場合には、配偶者の特例は使えません。さらに、小規模宅地等の評価減もご夫婦の自宅に息子さんが住んでない限り(*)使えないことがあります。」

(*)居住継続要件(相続税の申告期限まで住んでいること)などの制限があります。

夫「そうなると僕ら2人に万が一のことがあったとき、長男が税金を払うことになるかもしれない。」

FP「だからこそ、相続を考えるときには配偶者、子、孫の代に渡ってどのように資産を継いでいくか、税金の面だけでなく、思いも含めてしっかり検討することが大切なのです。」

財産の整理を始める

FP「特に相続税への対策はそれぞれの家族で事情が異なるため、税の専門家に具体的な財産評価をしてもらい、適正な対策をとることが重要です。全体像を把握して細部を決めていくことが回り道に見えても一番合理的です。」

夫「本格的な対策をとるのはたいへんだな。まだ、そこまでの年齢じゃないし。」

FP「ならば、自分ですぐとりかかれる財産整理の方法をご紹介します。保有資産を3つの視点で見直してみましょう。」

(3)財産を3つに分ける

  • 医療・介護・終末に備えるお金
  • 楽しみながら使うお金
  • 円満に残すお金(資産)

FP「第一歩として、保有資産を書き出して一覧にします。そのうえでお金を上記3つに分けていきましょう。特に残す資産は受け取った人が理解しやすく扱いやすいものに見直していくことが大切です。また、一覧にすることで、保険や共済の請求もれを防ぐことにもつながります。」

エンディングノートで意思を明確にしておく

FP「残すものは財産に限りません。息子さんやお孫さんに伝えたいことを書き記しておきませんか。特に終末の医療や介護への意思を明確にしておくことで、ご家族の精神的な負担が大きく軽減されます。それにはエンディングノートを利用するのがよいでしょう。エンディングノートならば財産の記録や終末の希望を一冊にまとめて残すことができます。」

夫「まだ、69歳だし最期の具体的なイメージはわかないな。気持ちが変わるかもしれないし。」

FP「皆さんそうおっしゃるのですが、財産の整理とは案外時間や手間がかかるものです。体力や気力が充実しているうちこそ、希望を反映しやすいものです。それに万一認知症などになったら実行できる対策が非常に限定されてきます。エンディングノートに記載されたものはその後の行動に制限をかけるものでもありませんし、法的な効力もありません。あくまで自分の思いを整理するツールとして気楽に使ってください。むしろ、定期的に見直すのがおすすめですよ。」

夫「書き出しながら、自分の気持ちと財産の内容が整理できるのか。それなら二人で書いてみようかな。」

妻「お互いの意思の疎通ができれば安心です。」

(4)エンディングノートで整理できる主なこと

  • 医療・看護・介護の希望
  • 葬儀・お墓の希望
  • 財産の一覧表
  • 家系図・万が一の連絡先
  • 家族に伝えたいこと
  • 自分史

など

◆株式会社ライフアンドマネークリニック
波多間純子

プロフィール
CFP®。「お金しだい」の人生から「自分しだい」の人生へ選択できる人生に導くワーク・カウンセリングを実施。お金のコンサルティング会社「ライフ&マネークリニック」および実行支援会社「ライフ&マネーフォーチュニット(=幸運な人・財産の意味)」を経営。相談窓口ひとつで計画から実行までをサポート。関わった人すべての安心、豊かさをカタチにする。実務で培ったノウハウを生かし「わかりやすく、おもしろく、ためになる」講演・執筆で精力的に活動。女性と母の目線で厳しい時代を乗り切るお金と人生の関わりを指南。

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