FPによる知って得する!くらしとお金の話

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第4回 人生100年時代 社会保険の知っておきたいこと

人生100年時代。公的年金をはじめ、医療、介護の知識はますます重要です。10年近くひとりで生活するのに不自由な時期があるというデータもあります。お金の心配をすることなく安心して生活するための知恵と工夫をお伝えしましょう。

日本は、世界でもトップクラスの長寿国です。厚生労働省「2017年簡易生命表」によると、女性の4人に1人が95歳まで、男性の4人に1人が90歳まで生存するとのこと。寿命はまだ伸びる余地があるといわれています。まさに「人生100年」時代が訪れようとしているのかもしれません。
お金に困らず、生活していくことはできるのか。不安になるのも無理はありません。特に女性は男性と比べて長生きです。そこで確認しておきたいことが、「配偶者が亡くなったときの年金受給額」です。本稿では、よくある3つのケースをご紹介します。

ケース1 現役時代…夫 会社員/妻 専業主婦

会社員だった夫が亡くなると、妻は夫が受け取っていた老齢厚生年金の一部を「遺族厚生年金」として受け取ることができます。遺族厚生年金の額は、夫の老齢厚生年金額の75%になります。つまり、夫の老齢基礎年金は支給されなくなりますが、夫の老齢厚生年金の75%相当額が、妻の年金に上乗せされます。
たとえば、夫が老齢基礎年金78万/年、老齢厚生年金を115万円/年。妻が老齢基礎年金78万/年を受け取っていたとします(※1)。夫が亡くなると、夫の老齢基礎年金78万円は支給されなくなり、遺族厚生年金86万2,500円/年(=夫の老齢厚生年金115万円/年×75%)が妻に支給されることになります。世帯全体で考えると、106万7,500円/年のマイナスとなります。

専業主婦の妻が先に亡くなった場合は、夫は自分の年金のみになります。妻は厚生年金に加入しておらず老齢基礎年金のみを受給していた場合、夫には遺族厚生年金は支払われません。この場合、世帯全体では78万円/年のマイナスです。

(※1)夫の厚生年金加入期間は456ヶ月(38年)で、現役時代の平均標準報酬月額が46万円。妻は国民年金に満額加入したケースの概算。子どもがいない場合。

ケース2 現役時代…夫婦ともに会社員

2人とも厚生年金に加入していた場合は、「@ご自身の老齢厚生年金」か「A遺族厚生年金」または「B遺族厚生年金額の2/3+ご自身の老齢厚生年金額の1/2」の最も多い金額を選択します。

  • 残された人が会社員だった期間が長く、給料も多かった場合など、残された人ご自身の老齢厚生年金が遺族厚生年金より多いと、遺族厚生年金は支給されません。
  • 残された人が会社員だった期間が短く、給料も少なかった場合など、残された人ご自身の老齢厚生年金が遺族厚生年金より少ないと、その差額を遺族厚生年金として受け取れます。遺族厚生年金額の2/3+ご自身の老齢厚生年金額の1/2とも比較します。

(※)亡くなられた方の老齢厚生年金額の3/4

ケース3 現役時代…夫婦ともに自営業者・フリーランス

夫婦ともにフリーランスや自営業だった場合は、どちらが先に亡くなっても、厚生年金には加入していないので、遺族基礎年金のみです。遺族基礎年金が支給されるのは「子がいる配偶者」と「子」のみ。子がいない配偶者には支給されません(ここでいう子は18歳になってから最初の3月31日を迎えていない子を指します)。
ただし、夫が先に亡くなると、妻に「死亡一時金(12万円〜32万円)」が一度支払われます。また、妻の年齢が60歳から65歳であれば、その間のみ「寡婦年金」が支給されます。どちらの条件も満たしている場合は、死亡一時金と寡婦年金のどちらか有利な方を選びます。

このように、配偶者がなくなると、世帯全体の年金額は、おおむね5割〜6割程度に減ることが多いでしょう。亡くなった人の生活費は不要になりますが、住居費や光熱費などの固定費はそれ程変わりません。
そこで、65歳以降、夫(または妻)の公的年金や企業年金などで生活ができそうであれば、妻(または夫)の年金受給開始を遅らせることも考えてみましょう。「繰り下げ受給」です。最大70歳まで繰り下げることができ、年金受給額は42%増えます。また、増額された年金額は、一生涯続きます。
また、繰り下げ受給は「老齢基礎年金(国民年金)だけ」「老齢厚生年金だけ」と分けて行うことができます。夫婦の年金受給開始の時期を工夫して、妻(または夫)の受け取る年金額を増やすと良いでしょう。

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