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第2回 台風で被災。火災保険でどのように補償されるか

自然災害が相次ぐ近年、風水災に係る損害保険金の支払いが増加しています。2018年は、西日本豪雨や台風21号などによる保険金支払いが1兆5千億円超と、過去類のない金額に膨らみました。つまり、かつてないほど多数の世帯が、住宅や財産に損害を受けているのです。2019年はさらに、台風15号、19号など大型台風による深刻な被害が日本中で発生しており、再び多額の保険金が支払われることになりそうです。

ひとたび起きれば深刻になりがちな風水災ですが、公的支援は限定的です。たとえば床上浸水では、床上1.8m、おおむね1階の天井まで水に浸かると全壊と認定されます。それでも住宅の損壊具合で受け取れる基礎支援金は100万円。一方、床上浸水となれば、浸水が1mに満たなくても住宅の建具や家具、電化製品などの被害は避けられません。しかし1m未満の浸水は半壊と認定され、支援金は支給されないのです。

風水災で住まいや家財が損害を受けたときは、火災保険等で補償を受けられます。公的支援に限界があるなか、風水災の補償の有無は被災後の生活再建を左右しかねません。火災保険すべてに風水災の補償があるわけではなく、補償内容も契約により異なりますので、平時に確認し、適切な補償を確保しておきたいところです。

また、同じ台風による被害であっても、風が原因で損害が生じた場合は「風災」、水が原因で損害が生じた場合には「水災」と、原因によって適用される補償が変わります。それぞれの補償内容と注意点について、詳しく見ていきましょう。

「風災」は、いくらから補償を受けられるかチェック

「風災」の補償は、暴風、竜巻などが原因で生じた損害に対し、保険金額を上限に修理費などについて保険金が支払われるものです。商品によっては、損害額が20万円など一定額以上になったときのみ保険金が支払われるものもあるので確認しましょう。こうした商品は、20万円未満の損害は切り捨てとなり補償が受けられませんが、20万円以上となれば損害額の全額が補償されるしくみです。

2018年台風21号では、マンション高層階でも猛烈な風でコンクリート片やトタン屋根が室内に飛び込み、住宅や家財に甚大な被害が生じています。また2019年台風15号では、ゴルフ練習場の鉄塔が暴風によって倒壊、住宅を直撃しています。木造住宅はもちろん、マンションであっても、風災補償は不可欠になったと言えます。

火災保険には「物体の飛来・落下」という補償もありますが、物体が飛び込んだり、落下した原因が風である場合は「風災」で補償されます。

床上浸水の損害は「水災」があれば心配なし

「水災」は、暴風雨や豪雨が原因で起きた洪水や土砂崩れなどで、住宅や家財に生じた損害を補償します。2019年台風19号では、多数の世帯に床上浸水の被害が生じましたが、このとき水災の補償があれば、保険金額を上限に、床上浸水で損害が生じた建具や設備の修理費、あるいは家財を買い直すための費用などがカバーできます。床上浸水となれば、住宅と家財の両方に大きな損害が出るため、いずれにも加入しておくことが大切です。水だけでなく、土砂や泥水が室内に流入した損害も床上浸水と認定され、保険金が支払われます。また、地盤面から45cm超の浸水であれば、床上浸水に至らなくても(=床下浸水であっても)補償を受けられます。

床上浸水のリスクは今や、河川のそばに限りません。街なかでも集中豪雨による排水困難でマンホールが溢れたり、低地に水が流れ込んだりして浸水するケースも見られます。また、これまでマンション高層階は水災補償の必要性が低いと言われてきましたが、集中豪雨が原因で排水溝がオーバーフローすれば、居宅内や家財に損害が生じることも考えられます。こうした場合も「水災」として補償を受けられます。

なお、火災保険には「水濡れ」という補償もありますが、こちらは給排水設備の事故が原因の損害をカバーする補償です。集中豪雨等が原因で発生した損害は水災で補償されます。

土砂災害や落石リスクのある場合の注意点

集中豪雨等が原因の土砂災害や落石なども、水災として補償を受けられますが、注意したい点もあります。多くの商品には、床上浸水を伴わないこれらの損害について、保険価額(=保険金額など)の30%以上の損害を対象とする、との定めがあります。たとえば2000万円の住宅で、土砂災害で600万円以上の損害が生じれば、2000万円を上限に損害額が補償されます。一方で、床上浸水を伴わない600万円未満の損害は対象外になるのです。

さらにこのレベルの損害だと、公的支援からも外れる可能性があります。住宅の損害割合が40%未満だと、自治体が発行する罹災証明書では半壊と認定されるため、被災者生活再建支援金を受け取ることはできません。損保会社と自治体の調査基準は同じではありませんが、損害割合が損保会社で30%未満、かつ自治体で40%未満と判定された場合、損害保険金・支援金はいずれも受け取れず厳しい状況となります。

床上浸水以外の水害が起きうるところに住んでいる場合、損害を受けても支援金や補償を受けられないケースが考えられることを踏まえ、こうした時にどのように対応するか、事前に検討しておく必要がありそうです。

あわせて水災では、最大補償額が火災保険金額と同額とは限らないため、補償上限額を確認することも大切です。水災について、もともと保険金額の70%までを上限とする商品もあれば、特約を付加して保険金額の70%、30%、10%などに補償を縮小できる商品もあります。これらは保険料を抑える狙いで設けられていますが、水災補償は住宅を失うような事態をカバーするための唯一の手立て。補償を小さくすることには慎重な検討が必要です。

共済の水災保障の特徴は

「CO・OP火災共済(CO・OP共済)」や「新型火災共済(都道府県民共済)」でも、風水害の損害をカバーできます。こちらは「風水害保障」と一体化していて、損害額が10万円を超えるか、床上浸水の被害が生じたら保障対象となります。

知っておきたいのは、修理費がそのまま支払われるのではない点です。いずれの共済も、加入状況と損害に応じた一定金額をもとに定められた金額が支払われる仕組み。かつ保障上限額もあり、水害で住宅が全壊となったときに受け取れる金額は、設定した共済金額より低くなります。

たとえば2000万円の住宅で、全床面の50%未満、かつ60cmの浸水被害を受けて支払われるのは「CO・OP火災共済(標準タイプ)」で36万円、「新型火災共済」で60万円です。

60cmも浸水すれば、大きな被害が出るでしょう。しかし1m未満の床上浸水は、り災証明書では半壊と認定され、被災者生活再建支援金も対象外となります。

また、住宅全壊時の受取額は、「CO・OP火災共済(標準タイプ)」で1173万円、「新型火災共済」で600万円。どのような損害でもおおむね保障は受けられますが、受け取れる金額は小さめです。

以上みてきたように、保険や共済の風水害補償(保障)の内容は、なかなか複雑でわかりにくいのが実情です。水災補償があれば必ず損害が補償されるわけではなく、補償されない空白部分が生じたり、損害の全額がカバーできない場合もあるのです。風水害による家計ダメージは甚大なものになることもあるため、事前によく理解して加入することがとても大切です。

火災保険等の見直しポイント

知識が整理できたところで、加入している火災保険等を見直しましょう。ポイントは以下2点です。

①契約している火災保険等に風災・水災の補償があるか
②どの程度の損害から補償を受けられ、最大でいくらまで補償を受けられるのか

保険証券等を見ても理解できないときは、契約先のコールセンターや担当代理店に連絡して問い合わせましょう。この機会に、わが家のリスク状況、さらに家計状況を踏まえて、適切な補償を確保しておきましょう。

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清水 香氏による知って得する!くらしとお金の話 連載

第1回
災害時 知っておきたいお金の知識
2019年9月
第2回
台風で被災。火災保険でどのように補償されるか
2019年12月

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