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第3回 歴史から学ぶ相続

はじめに・・・どうして、今、歴史から学ぶのか?

毎年、必ずといっていいほど、歴史関連の書籍が話題になります。
いくつか理由があるとは思いますが、学校教育で歴史を学んだり、TVドラマなどを見たりする機会が多いので、わかりやすくイメージしやすい、説得力があるので理解もしやすいということなのでしょう。

実際、「歴史は繰り返す…」とも言われ、実生活でも役立つことが多いのも事実です。例えば、日々起きるトラブルの解決や近未来に起きるだろうと予測されることに対して適切な回答を示唆してくれるケースもあります。

やはり、人間には「損得」や「好き嫌い」という感情や気持ちがあるので、いつの時代を生きても変わらない真理があるのだと思います。

そこで、本コラムでは、今後トラブルが多発すると予想される「相続」について、歴史から解決のヒントを得たいと思います。

愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ

この言葉はとても有名なので、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

初代ドイツ帝国の宰相である“オットー・フォン・ビスマルク”の言葉です。ビスマルクは19世紀に生きたドイツの政治家で、産業革命以後、経済的にもイギリスやフランスの後塵を拝し、分裂していたドイツを統一に導いた政治家です。辣腕(らつわん)を振るったため、鉄血宰相の異名を持ち、現在の社会保険(公的医療保険や年金)の礎を築いた人としても有名です。明治初頭、岩倉具視や大久保利通が使節団を編成し、欧米を歴訪した際会っています。

さて、この言葉には以下のような意味があるようです。
「愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む。」
つまり、短い人生、自分自身の経験や体験だけで知識や知恵を得る(=学ぶ)より、他人の経験(=歴史)から様々なことを学んだほうが、より良い人生が送れるということです。

歴史は難しい?!

そうは言っても、学校に通っていたときに歴史嫌いになった方も多くいらっしゃると思います。794年の平安京遷都を「なくよ(794)ウグイス平安京」というように暗記で覚えるのに辟易(へきえき)したからだと思います。事実だけの暗記はイメージが沸かず、“無機質”で苦痛そのものですね。

ただ、NHKの朝ドラや大河ドラマを見てもらうとわかると思いますが、実際は昼メロ顔負けの恋愛ドラマだったり、ドロドロした愛憎劇・政治劇だったりします。

つまり、歴史は「損得」や「好き嫌い」等も含めた“有機的”な人間ドラマから出た結果です。ですから、無機質な事実に対して「どのような根拠で」「何を見いだし」「どのように解釈するのか?」という視点を自分自身で加えることで、未来に活かすことができます。

過去の事実=歴史は1つだけですが、その時代時代で解釈も変わります。
例えば、坂本龍馬ですが、戦前は日本海軍を作った創設者としてのイメージが強かったようですが、戦後は明治維新を影で動かした船頭的なイメージが大きいです。

また、執筆をしている段階では新型コロナウイルス感染拡大が続き、やっと緊急事態宣言が解除に向かいつつある段階ですが、2020年のNHK大河ドラマは「麒麟がくる(主役は明智光秀)」です。そのクライマックスは、前述の「坂本龍馬の暗殺」と同様、日本史史上最大のミステリーの1つと言われる「本能寺の変」を描くことになるのでしょう。どのように表現されるのか?個人的にも今から楽しみにしています。
というのも、実際に起きた時代の事実とその歴史を描いた時代背景を結びつけることにより、様々な解釈が生まれるからです。

明智光秀に関する資料が残っていないのは、生き残った人間にとって明智光秀と関わっていたことがわかるとマイナスなので、ほとんどの資料が破棄されたことが原因だと思われます。その結果、長い年月が過ぎ、ミステリーとして多数の解釈が生じるわけです。

現在の相続は?

さて、「歴史から学ぶ」というこのような視点を今後トラブルが多発すると予想される「相続」に活かしてみましょう。実際に渡す側である親世代からは超高齢化社会の進展により意思決定できない≒しないこと、貰う側である子世代では権利意識の増加により、相続問題が複雑化していると言えます。

例えば、厚生労働省が公表している「平成30年簡易生命表」の中のデータを見ると、高齢期まで生存する割合が年々高まっていることがわかります。

具体的には、年金を受給できる65歳の方は、男性で100人中90人弱、女性で95人弱はいらっしゃる・・・つまり、ほとんどの方は年金を貰えるということがわかります。90歳の方は、男性で100人中27人弱、女性で51人弱・・・つまり、男性の4人に1人、女性の2人に1人は90歳まで生きられます。人生100年時代と言われていますが、100歳の方は、男性で100人中2人弱、女性で7人強はいらっしゃる・・・日本は長寿社会になっています。
ですから、なかなか相続が問題になっていると言っても、いつ亡くなるかわからず、高齢期に入った本人が相続関連で意思決定するということはなかなか酷なことで、対応できないという状況になっているわけです。

そのことは裁判所が公表している「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」(2019年(令和元年)7月)のデータでも確認できます。

例えば、家庭裁判所への申立件数=遺産分割事件の新受件数(審判+調停)は15,706件で、1998年(平成10年)の10,302件と比べ52%伸びています。また、審理期間は11.5ヶ月と約1年近い時間を要していることがわかります。この20年間にネット社会になり情報公開が進んだことや、個々人の権利意識が増えたため、相続人間の負担や家族関係の崩壊など数字では示されない様々なマイナス面もあることは容易に想像できます。

まとめ

このような相続の現状を受けて、歴史上の偉人から、相続問題の本質である「適切な相続分割」≒争族防止対策について、現在の私たちに活かせるヒントを見ていきます。
例えば、織田信長の相続は、現在に例えると、本能寺の変というアクシデントによる突然死のイメージがあると思います。ただ、明治維新まで織田家は存続しています。それはどうしてか?また、現在に当てはめるとどのような知恵が活かせているのか?考えてみると意外なことがわかります。21世紀にできた「家族信託」的な発想が活かされています。
実は、本能寺の変の前に織田家の家督は既に長男の信忠に譲っています。この事実が後の織田家の跡目を決める清洲会議で根拠とされ、その後、天下は豊臣秀吉(その当時の羽柴秀吉)に移っていくとことになります。

現在、AIやIT技術の目覚ましい進展により第四次産業革命の真っ最中だと言われています。例えば、キャッシュレス決済によるポイント還元制度とマイナンバーカードを関連付ける政策が進展しています。また同時に、相続や契約関係の基礎である 民法 という法律の改正も進展中で、2020年代は世の中の様々なルールや仕組みが変化していきます。相続税も2015年の改正で基礎控除を切り下げたことにより、税金は納付額が0だったとしても確定申告が必要になるケースが増えているので、保有財産も把握され始めています。

これらの動きを歴史に例えると、豊臣秀吉が行った「太閤検地」を想像できます。タンス預金などで隠していた私たちの財産、現金決済が中心で見えなかった私たちのお金の動きがキャッシュレスなどの技術革新で見える化し、世の中から把握可能な状況になって来ているとも言えます。

この様に、現在の状況や予測可能な近未来の状況を過去の歴史に当てはめると、今後、私たちにとって取るべき適正な対応を知ることができます。今回は相続をお話のベースに据えました。ただ、近年、多発化・大規模化する災害や今回の「新型コロナウイルス感染症の拡大への対応」についても歴史からいろいろなヒントを得ることができます。

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佐藤 益弘氏による知って得する!くらしとお金の話 連載

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第2回
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第3回
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2020年6月

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