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今月のテーマ『動物由来感染症』

はじめに

最近、動物からの感染症が問題になってきており、たびたびニュースになっています。先日、36年ぶりに国内で狂犬病が2件続けて発生しニュースになったのは記憶に新しいところです。ここ何年かの間に、プレイリードックはペスト、ハクビシンはSARSの感染源となる可能性があるため、輸入が禁止されました。今も時々話題になる牛肉の輸入規制は、ウシ由来の感染症である狂牛病を防ぐためのものです。現在、人間への感染が報告されている細菌やウイルス等の微生物の約60%が動物由来とされています。島国である日本は、海外から感染源となる動物が入ってくることが少なく、もともとは感染症の少ない国でした。しかし、交通機関の発達で多くの人や動物、物が行き来するようになり、新たな感染症も入ってくるようになりました。また、海外から珍しい動物を輸入する、一時の流行で飼い始めて結局面倒を見られずに捨てられたペットが野生化する、ペットも家族の一員として室内で飼われるようになった等から、ペットからの感染症も問題になっています。正しい知識を持ち動物と上手に付き合っていきましょう。

おもな動物由来感染症と感染源

動物から人間にうつる感染症を動物由来感染症と言います。現在、世界で確認されている動物由来感染症のうち、日本国内での発生は60種類程度が確認されています。ここでは主なものを紹介します。


  • 狂犬病:狂犬病ウイルスに感染している動物に咬まれることによって感染します。イヌだけではなく、ネコ、アライグマ、スカンク、キツネ、コウモリ等も感染源になります。発症すると治療法がなく、ほぼ100%死亡するので、狂犬病に感染している動物に咬まれたら、潜伏期の間にワクチンを接種し、発症を防ぐことが大切です。
  • オウム病:オウム、インコ、カナリア、九官鳥、カモメ、アヒルなどの鳥類の糞や分泌物に含まれているクラミジアという病原体を吸い込んだり、えさの口移しをしたりする等で経口感染します。肺炎や気管支炎等の呼吸器症状の他、筋肉痛、関節痛、頭痛等の症状が出ます。
  • サルモネラ症:食中毒を起こす菌として有名で、食肉や卵が原因になることが多いですが、イヌ、ネコ、爬虫類、両生類、ハトも保菌しています。感染源になる動物に触ったり、巣の掃除などで菌が手に付着し、その手を経て経口感染します。吐き気、嘔吐、下痢等の消化器症状が出ます。縁日等で売られているミドリガメは、60%以上が保菌しているので注意しましょう。
  • トキソプラズマ症:ネコの糞尿、ブタ、ウシ、ヒツジが主な感染源です。菌で汚染された手や食器等を介して経口感染をします。感染している動物の肉を十分に加熱せずに食べても感染します。健康な人が感染しても殆ど症状は出ませんが、抵抗力が低下している人が感染すると、倦怠感、発熱、頭痛等の症状が出ます。また、妊娠初期の妊婦さんが初めて感染すると、流産の原因になったり、先天性トキソプラズマ症の赤ちゃんが生まれたりすることがあります。ただし、妊娠前に感染し、抗体が陽性(免疫がある状態)であれば、問題ありません。女性の6%程度が、妊娠前から抗体陽性になっています。妊娠中にネコを飼い始めたり、ネコの排泄物に触れたりしなければ、殆ど心配はないでしょう。
  • ネコひっかき病:ネコに寄生するネコノミが保菌しています。ネコは感染しても症状が出ませんが、感染したネコにひっかかれたり咬まれたりすることで人間に感染し、受傷部位の腫れや倦怠感、リンパ節の腫れ等の症状が出ます。
  • エキノコックス症:寄生虫感染症です。キツネやイヌ等の腸に寄生しているエキノコックスの卵が糞に混ざって排出され、その卵が口に入ることで感染します。卵は小腸で幼虫になり、血液やリンパ液を介して様々な臓器に運ばれますが、殆どが肝臓に寄生し、進行すると肝臓が腫れて不快感や痛みが出ます。日本では北海道のキタキツネからの感染が問題になっています。
  • トキソカラ症:イヌやネコ等の動物に寄生した回虫の卵が糞とともに排泄され、経口感染します。卵は腸の中でふ化し、幼虫は血液にのって全身を移行します。特に肝臓、脳、眼球に移行することが多く、臓器が壊死したり、腫瘤を形成したりすることもあります。

動物由来感染症を防ぐには

  1. 野生動物や知らない動物へむやみに近づいたり、なでたりしないようにしましょう。人間に慣れていない動物は急に咬みついたりすることがあります。また、海外では飼い犬に対する狂犬病ワクチンの接種が義務化されていない国もあるので、飼い犬でも油断は禁物です。
  2. 動物を飼う場合は責任をもって飼いましょう。必要な予防接種を受ける、咬んだりむやみに吠えたりしないようにしつける、絶対に捨てない、等を守りましょう。また、密輸によって危険な動物が国内に持ち込まれていることがあります。動物を買う場合は、信頼のできるペットショップ等で買うようにしましょう。
  3. 節度を持って接しましょう。口移しで食べ物をあげる、一緒に入浴したり寝たりする等、過度な接触は控えましょう。
  4. ペットの体調を管理しましょう。ペットが病気にならないよう、清潔な飼育環境を整える事も大切です。排泄物はすぐに処理し、換気にも注意しましょう。また、元気があるか、食欲、便の性状、毛づや等に注意し、普段と違ったことがある場合は動物病院を受診しましょう。ペットが病気になった場合、獣医師に人間への感染の可能性や予防法を確認し、感染を広げないようにしましょう。
  5. イヌやネコを放し飼いにしないようにしましょう。病気に感染しているネズミや虫等を食べてしまうことがあります。
  6. 動物に触った後は石けんと流水で手をよく洗いましょう。
  7. 動物に咬まれたら患部を流水でよく洗い、受診しましょう。飼い犬に咬まれた場合は、狂犬病のワクチンを接種しているか確認しましょう。
  8. 万一、動物由来感染症が疑われる場合には、動物との接触を必ず医師に伝えましょう。

おわりに

最近は物珍しい動物がペットとして家庭に飼われたり、ペットも家族の一員として可愛がられるなど、動物と人間の関係が変化しています。動物由来感染症の正しい知識を持ち、人間も動物も楽しく暮らしていきたいものです。


参考文献 感染症マニュアル 東京都
    動物由来感染症 少年写真新聞社
ペットとあなたの健康  メディカ出版
監修 東京医科歯科大学 名誉教授  藤田 紘一郎


情報提供:T−PEC保健医療情報センター

 

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