発掘!お金の話

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第4回 金(きん)の歴史発掘!

〜歴史にみる金の特性とその魅力〜

お金とはきってもきれない関係にあるのが「金(きん)」。「有事の金」「資産の保険」などといわれ、現在では投資の対象でもある。2006年5月には、ニューヨークで金相場が急反発。25年8ヶ月ぶりに700ドルに乗せたと報じられた。そもそも金は、石英脈の中から見つかる金属である。しかし、この金属は人類と古くからかかわりを持ち、人々の心をとりこにしてきた。金がなぜこれほど人類にとって貴重な存在となったのか。今回は、その秘密を探るべく、金の特性に着目しながら金の歴史を発掘していこう。

特性1 黄金の永続性 ―王の権威の象徴、古代エジプトの金

金の特性としてまずあげられるのは、その黄金の輝きだ。金は空気に浸食されないため、錆びることなく永遠に輝きを保ちつづける。この輝きと永続性は、古代の人々の心をも魅了した。たとえば、太陽神ラーを信仰する古代エジプトでは、太陽のように輝く金はなくてはならないものであり、王の権威を示すものでもあった。

「エジプト考古学博物館(カイロ博物館)」に展示されているツタンカーメン王の黄金のマスクや三重の棺は特に有名だ。マスクの重さは約11キロもあり、墓から出てきた金の総量は約1トンと推定されている。なお、現在、老朽化してきた「エジプト考古学博物館」にかわり、「大エジプト博物館」の新設が計画されている。2015年にオープン予定で、ツタンカーメン王のマスクもこちらへ移される予定だ。

特性2 加工性 ―黄金の国ジパングの中尊寺金色堂

次に、注目される特性はその加工性だ。1gの金を引き延ばすと約3千メートルもの長さになるし、1万分の1ミリメートルの厚さに引き延ばして、箔(はく)にすることもできる。そのため、金はさまざまな装飾品に加工され、金箔としても利用される。

たとえば、奥州平泉の中尊寺金色堂は総金箔貼りの木造建築物だ。ちなみに、この金色堂、マルコ・ポーロの「東方見聞録」に出てくる黄金の宮殿ではないかといわれている。マルコ・ポーロがどのようにこの地域のことを伝え聞いたのかは明らかではない。しかし、不思議なことに、岩手県盛岡市や青森県弘前市の寺には、古くから信仰の対象としてマルコ・ポーロ像が伝えられている。金山を持ち、独自の文化を築いた奥州の文化圏とマルコ・ポーロの間には、いまだ知られざる繋がりがあったのかもしれない。

そしてまた、この奥州平泉の文化は、「東方見聞録」を通じて、後の大航海時代にも影響を与えることになる。コロンブスをはじめ、多くの者が「黄金の国ジパング」を求めて大海へと漕ぎ出した。大航海時代とは、金を求める旅の時代でもあったのだ。

特性3 希少性 ―黄金を求めた大航海時代

そして、なんといっても金の貴重さを決定づけているのは、その希少性だ。これまで人類が採掘した金の総量は約15万トンとされる。公式競技用の50メートルプールたった3杯分強だそうだ。これは少々意外な気がする。海賊の洞窟、古代の王の墓、悪徳商人の金蔵、逮捕された政治家の家の床下、どこも金がたくさん詰まっていそうなイメージがある。

大航海時代の16世紀、インカ帝国に侵入したスペイン軍のピサロは、インカ王アタワルパを幽閉。アタワルパは、釈放のために部屋一杯の金銀財宝の提供を申し出、実際に部屋を金銀財宝で埋め尽くしたという。これだけでもかなりの量の金がありそうだ。

しかし、金は加工性・延性にすぐれている金属。部屋一杯の金銀財宝があっても、その中に含まれる純金の量はそれほど多くはないのだろう。それでも、その純金の総量は約5トンもあったと推定されている。そして、アタワルパが大量の金銀を提供したにもかかわらず、ピサロは後にアタワルパを処刑、金製品の数々は延べ棒にされてしまった。

こうして、アメリカ大陸からたくさんの金がヨーロッパに持ち込まれたが、希少な金の大量流入はヨーロッパの経済に大きな影響を与え、インフレを長引かせる原因にもなった。

特性4 重さ ―ねずみ小僧も千両箱は重かった?!

最後に、その重さを特性としてあげておこう。その重量は水の重さの約19倍だ。もし2リットルのミネラルウォーターのボトルが19倍の重さだったら?とてもスーパーから持って帰る気にはなれないだろう。金はとても重いのだ。

そうすると、江戸時代の千両箱も相当の重量であったと推察される。慶長小判で計算すると、約20キロくらいになるという。ねずみ小僧が小判のズッシリ入った千両箱を持って、屋根から屋根へひょいひょいっと飛び移る、なんて話はちょっと難しそうだ。だが、この重さが、人々に金の価値の確かな実感を与えているといえるだろう。

この江戸時代、日本の金は海外へ流出している。長崎からも流出したが、幕末には金と銀の交換比率が不均衡だったために(国内では金1:銀5に対し、国外では金1:銀15だった)、大量の流出をみた。幕府は、著しく小さな「万延小判(まんえんこばん)」を発行してこれに対処しようとした。幕末のこの小判なら、ねずみ小僧も比較的楽に運べたかもしれない。

近現代の経済社会における「金」

このように、金はその特性ゆえに私たち人間を魅了し、歴史に大きな影響を与えてきた。

19世紀には、貨幣の裏付けとして機能するようにもなる(金本位制)。第2次世界大戦後は、ブレトン・ウッズ体制のもと金為替本位制がとられ、金1トロイオンス=35ドルと定められたことも周知の通りだ。1971年のニクソン・ショック以降、各国は変動為替相場制へ移行し、金はその機能を終えたが、その後も各国の中央銀行は大量の金を「準備資産」として保有している。金は今でも経済社会の中で重要な位置を占め続けている。

2004年にはロスチャイルドが金取引から撤退し、その後の金の動向について様々な憶測をよんだ。また、昨今のインフレ懸念などでも、金は投資対象としてますます目が離せない存在になっている。もちろん暴落だってあるかもしれない。だが、金の輝きは、将来にわたっても私たちの心を魅了し続けるだろう。

参考資料

  • すばる舎「金で確実に資産を殖やしなさい」植田進
  • エム・ケイ・ニュース社「金の時代〜いま蘇る本物の輝き〜」フジチュー総合企画グループ
  • 社会評論社「金の魅力 金の魔力 −金投資へのいざない」奥山忠信・高橋靖夫 共著
  • 日経ビジネス人文庫「ゴールド―金と人間の文明史」ピーター・バーンスタイン
  • 東京堂出版「古代エジプトを知る事典」吉村 作治
  • 遊学舎ホームページ「吉村作治 エジプト博物館」 ...ほか

※記事内容はとくに記述のあるものを除いて、2006年7月10日現在のものです。

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