知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『子どもの嘔吐下痢症』

冬場になると流行する嘔吐下痢症。看病をしている家族にもうつることがある、侮れない病気です。
今回は嘔吐下痢症にかかってしまったときの対策をお伝えいたします。

嘔吐下痢症ってどんな病気?

冬場に流行し、主に6ヶ月から2歳の子どもに多いといわれています。
激しい嘔吐で発症し、その後下痢症状や発熱、軽い咳や鼻水など風邪の様な症状も見られます。嘔吐は一般に1~2日ほど続き、下痢は軟便から頻回の水様便となり3~4日ほど激しい下痢が続きます。発症から1週間ほど経過したところでようやく症状が治まります。

どこからうつるの?

  1. 1保育園や幼稚園、学校や家庭などで、人・おもちゃなどのモノ・空気などを通じて感染します。
  2. 2吐物に触れたりおむつかえ後に手を洗わずに作った食事や、汚染された手で触ったおもちゃなどから感染する場合があります。
  3. 3排泄されたウイルスが海や川に排泄されカキなどの貝に溜まり、それを加熱せずに食べることにより感染することがあります。

処理する場合は、使い捨ての手袋を使用し、他のものと分けて洗う、又は塩素系の消毒剤を利用して殺菌することが大切です。またこのとき、タオルの共有は控えましょう。

対策

症状が出たときは速やかに受診し、医師の指示を受けましょう。
脱水(ぐったりしている等)が進んでいる場合、点滴を行うこともあります。
嘔吐や下痢で水分が体外に出されるため、口からの水分補給を心がけましょう。

<嘔吐があるとき>

  • 水分補給を行う際は、スプーン1杯程度の量から始め、様子を見ながら量を増やします
  • 母乳やミルクは頻回に少量ずつが基本です
  • 水分は、お茶や乳幼児用のイオン飲料がお勧めです。このときオレンジジュースなどの酸味がある果汁や脂肪分が含まれる牛乳などは控えましょう。糖分が多い飲み物は下痢を誘発することがあります

<嘔吐がおさまり下痢が続くとき>

  • 嘔吐が落ちついたら、消化の良い食事から始めます
  • 離乳食は一段階前の形状で軟らかく消化の良い炭水化物中心のメニューにします
  • 幼児食以降はうどんやお粥・食パン等、食べなれたもので消化の良い食べ物にします
  • 電解質補給のため、塩分を含むメニューもお勧めです
  • 口当たりのよい、ゼリーやシャーベットなどもよいでしょう
  • 赤ちゃんせんべいは、歯ごたえもあり、消化もよいのでお勧めです

<症状が治まったとき>

胃腸炎で一時的に体重が減ったり、栄養状態の悪化を心配することもあるかもしれませんが、日が経ち元の食事に戻すことで、自然と体力は回復します。

予防の対策

<手洗いうがいの励行>

外出先から戻ったら、必ず手洗いうがいをします。

<汚物の処理を十分に>

発症した家族とのコップやタオルの共有は避け、吐物で汚染されたものには近寄らないようにしましょう。
発症後1週間は、糞便中にウイルスが排出されますのでうつらないように注意が必要です。

●東京海上日動メディカルサービス 発行

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