知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『子どもに必要な水分量とは?』
過ごしやすい季節になりました。
外出の機会が増えたり、運動会が行われる学校も多いようです。
紫外線が強くなり、気温も急に上昇しやすいこの時期に、気をつけておきたい子どもの水分補給についてご紹介いたします。
必要な水分量とは
必要な水分量はそれぞれの年代ごとに異なります。
気温や体調などに影響を受けますが、目安の量はこちらです。
- 乳児:150ml/kg/日
- 幼児:100ml/kg/日
- 学童:80ml/kg/日
- 成人:50ml/kg/日
飲用水だけでなく、食事からの水分量もこちらに含まれます。

脱水の症状
のどの渇きを感じた時点で、すでに脱水が起こっているといわれています。そのときにはすでに体内の2%程度も水分が足りない状況。そうなってしまってからの水分補給では、実は遅いのですね。
こんな症状があるときは、速やかに水分補給を行う必要があります。
- おしっこの量や回数が少ない
- 尿の色が濃い
- 唇や皮膚が乾いている
- 目がくぼんでいる
- 機嫌が悪い
これらの症状がある場合は、かなりの脱水が進んでいる可能性があります。体調が悪く、口から飲むことができない、または少ない場合には、速やかに受診しましょう。
幼い子どもや高齢者は、のどの渇きを感じにくかったり、感じてもうまく伝えられないこともあります。周囲の方が注意して見守ることが大切です。
どんなものを与えたらよい?
お茶や白湯がお勧めです。食欲がないときや発熱などで食事がとれないときは、小さい子には赤ちゃん用のイオン飲料などを与えます。難しいときは、イオン飲料を倍程度に薄めて与えましょう。
運動中や運動後など、一時的に大量に汗をかいた場合には、電解質と糖分が含まれたスポーツドリンクがお勧めです。
ジュースは糖分が多いため大量に飲むと食事に影響することがありますので、むやみに与えることは控えます。
どのタイミングで?
汗をかいてから、のどが渇いてからではなく、のどが渇く前から十分な水分補給をすることが脱水を防ぐポイントです。
水分補給のタイミングはこちらです。
- 起床時
- 運動の前と後
- 食事やおやつの時
- お風呂に入る前と後
- 寝る前
こまめに飲むことがポイントです。
屋外だけでなく、体育館などの屋内での運動は湿度が上がりやすく体温が上昇しやすいという特徴があります。
そのときの環境に合わせて、水分量を調節することが大切です。
年齢における水分補給の注意事項
乳児
一般的に母乳やミルクをほしいだけ与えていれば心配ないといわれていますが、大量に汗をかいたり、汗をかいているのにすぐに授乳ができない場合は、速やかに水分補給をすることが必要です。日ごろから、白湯や麦茶を飲む習慣をつけておくとよいでしょう。哺乳瓶やマグマグ、ストローやコップなど、母乳以外の水分補給ができると安心です。
幼児
ジュースなどを欲しがる場合もありますが、基本の水分補給は無糖の水かお茶にすることが大切です。水分補給を子ども任せにすることなく、保護者がコントロールしてあげることがポイントです。
学童
のどの渇きを感じたときに、大量に飲み干すのではなく、こまめに1回3口程度にとどめて補給するように伝えます。学校や遊びなどで運動をする機会が増えるので、常に水筒を持参するなど日ごろから意識をすることが大切です。
適切な水分補給は、これから気温が上がる夏場に向けて、熱中症予防対策にもなります。
必要だからといって、一気に大量に飲むと、体に負担がかかりますので、100ml程度をこまめに補給することが理想的です。
新学期やGW明けの疲れが出やすいこの時期に、体調管理を万全に季節の変化を乗り切りましょう!
●東京海上日動メディカルサービス 発行