知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『暑さに負けない子どものからだ作りのコツ』

例年より早い梅雨明けとなりました。
熱中症は、気温が高いときだけでなく、湿度が高いときも発生しやすいといわれています。
また、大人と比べて背の低い子どもは、地面の照り返しを受けやすく、からだの熱を体外に放出しにくいため、大人より熱中症になりやすいと言われています。
今回は、暑さに負けない子どものからだ作りのコツをご紹介いたします。

熱中症が発生しやすい状況とは

「気温が高い」、「湿度が高い」、「風が弱い」、「日差しが強い(照り返しが強い)」という4つの条件があると、汗の蒸発が十分にできずに、熱中症が発生しやすくなります。
活動時間を日中ではなく夕方にする、照り返しを避けた日陰で遊ぶ、など、大人が配慮することが大切です。
屋外の活動や運動だけでなく、体育館やマンションの屋上などでも発生しやすいことがわかっています。
寝不足や体調不良時は、熱中症に陥りやすいため、十分な睡眠と体調管理を整えましょう。

熱中症の初期症状とは

子どもは、自分の状態を正確に伝えることができませんが、大人が注意するポイントはこちらです。

  • ふらふらしていないか
  • 大量の汗をかいていないか
  • のどが渇いている様子はないか
  • 手が冷たくないか

活動中にいつもと変わったことがないかどうか、注意深く観察をしましょう。

暑さに負けないからだつくりのコツ

朝食をしっかり食べて、生活リズムを確立する

夏場は、食欲が落ちたり、夏休みで遠出の予定があったりと、生活リズムが狂いがちです。
夏の時期は特に意識して、「決まった時間に起きる」、「決まった時間に食事をする」など、生活リズムを整え、決まった時間に食事をすることで夏ばて予防にも繋がります。
朝からアイスや清涼飲料水をとった場合、血糖値が急激に上がり、すぐに下がってしまいます。
そうすると、空腹感や体調不良を感じるだけでなく、血糖値が不安定になることで気分も不安定になりやすくなるのです。

適度な外遊びで夏の暑さにからだを慣らす

適度にからだを動かし汗をかいて、暑さに慣れるようにしておきましょう。
これを続けると、暑さに対し汗をかきやすいからだになります。
汗は、運動や暑い外気に触れたときに、体内の熱を体外に放出する大切な役割を果たしています。

十分な水分量を

子どもは汗っかきです。尿の回数が少なかったり、尿の色が濃い場合、脱水の可能性があります。
子どもにとって必要な水分量は、体重1kgあたり乳児で120~150ml・幼児90~100ml・学童60~80ml。これを目安にこまめに水分補給をしましょう。
但し、清涼飲料水や果汁などの糖分が多い飲み物は空腹感を感じにくくなります。食事に影響するので、与える時間や量を考えましょう。
乳幼児には必要ありませんが、学童以上で短時間に大量に汗をかくことが予想される場合、電解質が含まれているスポーツドリンクがお勧めです。

夏の食品をしっかりとる

暑いからといって、アイスクリームやジュースなどの冷たい食品ばかりでは、胃腸に負担がかかります。夏に旬を迎える食材、たとえば、トマトやきゅうり、ナスなどは、野菜そのものの水分が多く、体を適度に冷やすといわれています。これらを意識して摂ると良いでしょう。

通気性の高い服装で

帽子をかぶったり、ベビーカーの日よけなど、直接日差しが当たらないような工夫をしたり、速乾使用の素材のシャツを着たり汗をかいたらこまめに着替えるなど、衣服を調整して、熱を放散させるために工夫をしましょう。

子どもは大人と違って、熱中症の危険が高いことがお分かりいただけましたか?
最も注意したい時期は、梅雨明け間もない、今の時期です。
夏場のお出かけや外遊びの際は十分に注意して、夏を楽しみましょう。

●東京海上日動メディカルサービス 発行

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