知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『妊活のための食事』

「妊活」という言葉をよく耳にするようになりました。
将来、自分の身体に赤ちゃんを迎えるためには、食べ物の質と量(バランス)を整え、定期的な運動をすることが、健康的な身体つくりをすることが第一歩となります。
今回は、健康的な身体に改善又は維持するための食事についてお伝えいたします。

規則正しい生活を

食事を決まった時間にとるということは実はとても大切な要素の1つで、日々の生活リズムを作ります。
欠食や食べる時間が定まっていないと、身体に必要なエネルギーや栄養素が満たされず、不調の原因になることもあります。
身体の負担を少なくするために、まずは起床就寝時刻、食事時刻を定めて、体内のリズムを整えることから始めましょう。

エネルギー量は適量に

ダイエットをしている場合や、冷え性がある場合など、活動に必要なエネルギー量が十分にとれていない場合があります。2010年版食事摂取基準によると、生活活動Ⅱ※の場合18~29歳1950kcal、30~49歳2000kcalです。平均的に3食に分けてバランスよくとりましょう。
主食を抜く、野菜だけなどの食事は、栄養バランスが悪いだけではなく、必要な栄養素、エネルギー量もとれません。毎食、主食、主菜、副菜をそろえた食事を心がけるといいですね。

  • 生活活動Ⅱとは、座位中心の仕事で、移動や立位の作業・接客、あるいは通勤・買い物・軽スポーツなどを含む場合

ビタミンミネラルを十分に

食べものがエネルギーになるためには、ビタミンB群が必要です。これらは、たんぱく質に多く含まれています。サプリメントで手軽に補うこともできますが、基本は食事から。
毎食、たんぱく質を多く含む、肉や魚、卵大豆製品などを適量とりましょう。
また、女性に不足しがちな、鉄やカルシウムを意識することが大切です。妊娠中は、血流量が増えるため、鉄の必要量が増加します。女性は生理があるため、鉄欠乏性貧血の方が多いといわれています。レバーや貝類、大豆製品などを十分に摂りましょう。
加えて、血液中にカルシウムが満たされていない場合には、骨から流出することで必要量を満たしますので、毎日の食事から十分にカルシウムを摂ることが必要です。カルシウムが多く含まれる乳製品や大豆製品を意識して摂るといいですね。
特に、妊娠前から意識したい栄養素は葉酸で、青菜や果物、レバーなどに多く含まれています。神経管閉鎖障害※の発症リスクの低減に繋がりますので、妊娠前から不足しないように気をつけていきましょう。

  • 神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄などの中枢神経系のもと(神経管)が作られる妊娠の4~5週ごろにおこる先天異常です。

十分な睡眠

睡眠時間は十分にとれていますか?適切な睡眠時間は個人差があるようですが、夜更かしをしたりして、睡眠不足が続くと、免疫力が低下して風邪などの感染症にかかりやすくなります。
体調を整えるために、十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。

適度な運動

女性の運動習慣は、20代女性14.0%、30代女性13.9%、40代女性18.0%(平成24年国民栄養調査より)と他の年代の女性と比較しても低いといわれています。運動をすることで、筋肉が維持されるだけではなく、代謝がアップすることで基礎代謝も上昇します。また、筋肉量の増加は、冷え症状の改善を促します。
エネルギーの消費アップには、スポーツなどの運動をとりいれること、生活の中での活動量を増やすこと、この2点がポイントです。まずは、できることから、始めてみてはいかがでしょうか?

ストレス

ストレスを感じると、ビタミンCの消費量が増加します。ビタミンCを多く含む食品は果物や野菜、イモ類に多く含まれています。一度に沢山とっても身体にためておくことができないため、こまめに3食に分けてとると良いでしょう。
また、急に甘いものが欲しくなる場合がありますが、甘いもの(砂糖)を摂ると、血糖値が急激に上下するため、気分が不安定になり、憂鬱感を感じやすくなります。
そんな時は、気分がゆったりできるカフェインを含まない飲み物や、ドライフルーツなどをお勧めします。

今回は、「妊活のための食事」についてお伝えしました。
まずは、自分の身体の健康状態を高めることがはじめの1歩です。
適切なエネルギー量(適量)をしっかりとり、ビタミンミネラルも満たすような栄養バランスのとれた食習慣を続け、十分な睡眠と運動を心がけ、体を改善していきましょう。

●東京海上日動メディカルサービス 発行

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