知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『望ましいダイエットの考え方』

気温が高くなり、薄着になる季節になりました。
年齢を重ねるとともに「食事や生活が変わっていないのに太る」「お腹周りに贅肉がつきやすくなった」と感じ、ダイエットを始める方も多いのではないでしょうか。
加齢や運動量の低下は基礎代謝を下げる要因になります。運動量を増やさず、生活の中での運動量が増えないと知らず知らずのうちに筋肉量を落とし、ますます代謝を下げてしまうのです。
食事を抜いたり、食事量を極端に減らしたりするダイエットは、身体に必要な栄養が摂れないため体調不良に陥りやすくなります。
また、リバウンドをおこしやすく元の体重以上に増えてしまうことがあります。
体重を目安にダイエットをするのではなく、体脂肪率やサイズを確認しながら、健康的なダイエットを目指しましょう。
今回は、望ましいダイエットの考え方についてご紹介いたします。

(1)3食食べることはダイエットの基本

1日の始まりは、朝食を食べることから始めます。
朝食を食べることで体内時計のリズムが整い、身体にエネルギーが満たされ、代謝がアップするのです。
近年流行しているスムージーを朝食に飲むことは、身体を冷やす一因になります。その理由は、口で咀嚼しないため、消化液と混ざることがなく冷たいまま直接胃や腸に運ばれるので、冷たい温度が身体に伝わることになるからです。
また、野菜中心のスムージーやサラダ、野菜ジュースだけの朝食では、エネルギーになる栄養素が少ないため、午前中のエネルギー補給としては満たすことができません。
脳のエネルギーになるのはブドウ糖だけです。炭水化物が多く含まれる主食(ごはん、パン)と体温を上げるたんぱく質を多く含むおかず(卵、肉、魚、大豆製品)を、一緒に組み合わせてとることをお勧めします。
昼食は、1日の中で身体を動かすなどエネルギー効率が高いため、脂肪になりにくい時間帯と言われています。午後のエネルギー補給のために、しっかり食べて栄養補給をしていきましょう。
夕食は、1日の中でも食事量が多く、食事時間が遅くなりがちです。夕方以降の時間帯は、脂肪としてエネルギーを身体に溜め込みやすくなります。揚げ物などの脂質が多い料理は消化に時間がかかるので控えめに、食事量も腹8分目を心がけると良いでしょう。

(2)食事のタイミングを的確に

食事をベストなタイミングに摂ることで、体重のコントロールがしやすくなります。
例えば、飲み会やブッフェなど食事量が多くなると想定される外食の予定がある場合、その前の食事を減らしてしまうのはNG。身体にエネルギーが枯渇している状態で食事をすると、吸収率がアップしてしまうからです。この場合、外食前の食事も普通に食べ、多く食べた次の食事の量を調整すると良いでしょう。

(3)運動を組み合わせてダイエットを成功させよう

減量中は、食事量が少なくなりがちに。身体は足りないエネルギーを確保するために、脂肪と筋肉を分解してエネルギーとして利用します。つまり、減らしたい脂肪だけではなく、筋肉までエネルギーとして使われることになります。
また、運動直後の食事は栄養素の吸収率を高めます。言い方を変えれば、運動後の高カロリーの食事は太りやすいと言うことなのです。
運動は、食事をした1、2時間後の血糖値が最も高い時間帯に実施するのがベスト。特に運動後48時間は、脂肪燃焼効果が持続するため、食事量が多くならないように気をつけましょう。
脂肪を燃焼しやすいのは軽く息が弾む程度の有酸素運動ですが、筋力の維持や筋量をアップしたい場合は筋力運動を取り入れることをお勧めします。

今回は望ましいダイエットの考え方についてご紹介いたしました。
様々なダイエット法がありますが、これをすれば必ずやせるという魔法のダイエット法はありません。
3食の食事とそのタイミング、運動との組み合わせがすべてです。
身体に必要な栄養素を十分に摂りながら、継続できる方法で健康的にダイエットしましょう。

●東京海上日動メディカルサービス 発行

サイドメニュー