知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『離乳食の進め方』

生後まもない赤ちゃんの栄養補給は母乳やミルクが中心です。成長に伴い栄養素が補給しきれなくなるため、食物からの栄養補給が必要になります。そのための練習が離乳食です。
離乳食開始と重なる5ヶ月から1歳までのこの時期は、脳や筋肉の働きが活発になるため、寝返りやはいはいができ、つかまり立ちから歩くなど、日々の成長が著しいときです。
離乳食の期間では、消化吸収しエネルギーを生産する流れ(具体的には、固形物を消化できる能力を得ることや、食べ物を咀嚼して口の中で塊をつくり飲み込む嚥下作用の獲得、味覚の発達など)を習得します。
この時期に様々な味や触感を経験し、食事に興味を持たせるとともに、食品からの栄養補給がスムーズにできるような、離乳食の進め方についてご紹介いたします。

1.離乳食を始めるサイン

生後5ヶ月を過ぎ、「食べ物を見てよだれが出る」「首がすわる」「支えればお座りができるようになる」などが見られたら、離乳食開始のサインです。
開始当初は10倍粥ひとさじを、昼前後の時間帯で体調の良い日から始めます。
スプーンや食器は専用のものを用意すると衛生上安心です。
以前は離乳食初期に果汁を与える方法が用いられましたが、現在は積極的には勧められていません。

2.回数や量

〔生後5~6ヶ月ごろ〕

新しい食品は1日1回ひとさじずつ、2~3さじまで増やします。最初は、アレルギー性の低い穀類や野菜から始めます。この時期は栄養補給というより、舌触りや食感に慣れることが目的です。離乳食後の母乳やミルクは飲みたいだけ与えましょう。

〔生後7~8ヶ月ごろ〕

開始して2ヶ月たったら1日の回数を1回から2回に増やし、味と固さに変化をもたせます。大人の食事作りの際の食材の取り分けをしながら、進めるとよいでしょう。
たんぱく質を多く含む魚や肉も取り入れていきます。
まずは、脂肪の少ない白身魚やささみなどからはじめ、種類と量(小さじ2~5さじ程度まで)を増やしていきます。粥に関しては、摂取できる量や固さには個人差が出るため、もぐもぐとよく噛んで飲み込めているかを確認しながら量を増やしていきましょう。

〔生後9~11ヶ月ごろ〕

離乳食の回数を1日2回から3回に増やし、歯ぐきでつぶせる固さにして、ゆっくりと噛む練習をしていきます。体内に母親から引き継がれた貯蔵鉄が不足してくるころなので、鉄が多く含まれる赤身の肉や魚を積極的に取り入れましょう。

〔生後12~18ヶ月ごろ〕

1日3回の食事で必要な栄養の大部分を食事から摂ることができるようになります。
食事で摂りきれない栄養素を補うために、1日1~2回の間食を含めてバランスよく食品を組み合わせましょう。

3.形状と味付け

離乳食の形状は、なめらかにすりつぶした状態〔5~6ヶ月〕から、舌でつぶせる固さ〔7~8ヶ月〕へ、歯ぐきでつぶせる固さ〔9~11ヶ月〕から歯ぐきや歯で噛める固さに移行します。
離乳時期を通して食形態を変えることで、飲み込みができ、咀嚼ができることを目指します。
味付けはぜずに素材の味のみでスタートします。月齢を重ねるとともに、だしの利用や食材のコクを生かした食品の組み合わせ、離乳食後半は大人の味付けを倍程度に薄めた調味濃度でバリエーションを増やしていきましょう。

今回は、離乳食の進め方についてご紹介いたしました。
摂取できる離乳食の量や形状には個人差があります。月齢はあくまでも目安で、子どもの体調や食べる様子を見ながら進めていきましょう。

●東京海上日動メディカルサービス 発行

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