知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『子どもの夏バテ防止策について教えてください』

まもなく夏本番を迎えます。気象庁の季節予報によると、今年の夏は全国的に気温も高くなることが見込まれています(気象庁「3か月予報」平成29年5月24日発表)。

夏バテの症状としては、疲れがとれずからだがだるい、食欲がない、夜にぐっすりと眠れないなどがあります。しかし子どもの場合は、遊びに熱中していると元気そうに見えたり、食事も好きなものであれば喜んで食べていたりすることもあり、大人のように症状を自ら訴えてくることは少ないかもしれません。「うちの子、最近なんだか元気がないなぁ」と気づいたときには、子どもはすっかり夏バテになっていたり、熱中症にかかっていたりすることもあります。
そのためにも、普段から、夏バテになりにくいからだ作りを心がけましょう。

まず、夏バテの原因は、大きくわけて次の3点です。
1点目は、暑さのために大量の汗をかき、脱水状態に傾いていることです。汗とともに身体内のミネラルも失われ、電解質バランスも崩れやすくなります。また、からだの中の水分が減ると、からだの中に熱がこもり、上手に体温調節ができなくなります。
2点目は、暑さのために食欲がなくなり、十分な栄養をとれなくなることです。暑さによって、消化機能も低下するので、さらに食欲もわいてもきません。
そして最後は、暑さのためにしっかりと睡眠がとれないことです。夏休みになると、ついつい生活のリズムが乱れがちになるので注意が必要です。
これらのことが重なり、自律神経の働きも乱れ、夏バテという状態になります。

原因がわかれば、「それらの対策さえとれば夏バテは予防できる」ということになるのですが、実は子どもの場合、そう簡単ではありません。
たとえば体温調節ですが、子どもは大人にくらべてからだの水分比率が高いため、周囲の温度による影響を受けやすくなります。大人以上にこまめに室温や着衣の調整、そして水分補給が必要です。また外遊びのときは必ず帽子をかぶせ、陽射しにも気をつけてください。
また、「栄養があって消化の良い食事を」とはわかっていても、子どもが喜んで食べてくれる献立となると、なかなか難しいかもしれません。本コラムにも、「暑さに負けない子どものからだ作りのコツ」(2013年07月)や、「夏の冷え対策」(2014年08月)など役に立つ情報がありますので、参考になさってください。

夏バテが続くと体力が落ち、熱中症になりやすくなります。さらに夏風邪などの暑い季節に流行る感染症にかかりやすくもなります。夏を楽しく過ごすために、今から夏バテ予防をしっかりとしておきましょう。

●東京海上日動メディカルサービス 発行

サイドメニュー