知っておきたい!健康と医療 今月のテーマ『子どもがジャングルジムで遊んでいて頭から落ちてしまいました。大丈夫でしょうか。』

まずは落ち着いてお子さまの様子を見てください。
意識がない、けいれんをおこしている、大量に出血しているなどといった状態であれば、救急車を要請してください。
1m以上の高い所から落ちた、元気がなくすぐに眠ってしまう、繰り返し吐いているなどといった状態であれば、早急に救急病院や脳神経外科への受診が必要です。
吐いている場合は、受診までの間に吐物で窒息しないように体勢に注意し定期的に確認しましょう。移動手段がなく、すぐに受診ができない場合は、救急車を要請しても良いでしょう。
頭部打撲後すぐに泣いて、他に大きな怪我もなく、その後落ち着いていつもどおりの様子になれば、すぐに受診しなくても良いでしょう。念のため今日1日は安静に過ごしてください。こぶができていたら、保冷剤や冷たいタオルなどで20分程度冷やすと、内出血の広がりを抑えられ症状がやわらぎます。後から状態が変化する場合もあるので、48時間はお子さまの様子の経過をみてください。
ただし、泣きやまなかったり、不機嫌な状態が続いている場合は、脳神経外科への受診をお勧めします。
頭を強くぶつけた後は、頭蓋骨骨折や脳挫傷、頭蓋内出血などが心配です。外傷の程度によっては、必要に応じて頭のレントゲン検査やCT検査をおこないます。
よく話題になるのは、放射線の被ばくの問題です。1回の検査による被ばくの線量は、ごく少ないものです。数回程度の撮影では、お子さまの健康に悪い影響を及ぼすほどの線量ではありません。
医師が「レントゲン検査やCT検査が必要」と判断した場合、検査は医学的判断をするために必要であり、診断や治療が適切におこなわれるという有益性のほうが、放射線被ばくの不利益を上回ります。むしろ被ばくを恐れて検査をおこなわなかった場合は、重要な所見を見逃す可能性があります。医療の現場では医師が必要と判断した場合は、レントゲン検査やCT検査を受けて問題はありません。

子どもは頭の大きさが体の割合に対して大きいので、よく転ぶものです。また、いろいろな怪我をします。日ごろからすぐにかかれる病院を確認しておくと安心です。

●東京海上日動メディカルサービス 発行

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