FPによる知って得する!くらしとお金の話

第1回

起業という働き方① 小さく始めて自分らしく働く3つのポイント

コープ共済について

2023年8月

こんにちは。しなやかライフ研究所の小谷晴美です。
「好きなことを仕事にできたらいいな」「時間に縛られず自由に働けたらなあ」そんな風に思ったことはありませんか?

最近、起業や副業といった「雇われない働き方」に興味を持つ人が増えています。
しかし、一方で「自分には特別な才能がないから」と一歩踏み出せずにいるというお声もお聴きします。
今回は「起業」という働き方をテーマに、無理なく自分らしい働き方を実現する方法を紹介します。

私はファイナンシャルプランナーとして1600人以上の相談を受けてきましたが、その半数以上がフリーランスや個人事業主として活躍する、いわゆる女性起業家です。

「起業」というと「リスクを負って、バリバリ稼ぐ」というイメージがあるかもしれませんが、私が出会った人たちは、今あるもので小さく始めて、しなやかに自分らしく活躍する女性です。彼女たちの軌跡をたどってみると、無理なく成功に導くための3つの共通点があることがわかります。

それは、「好きなことをする」「完璧を求めない」「無理なく始める」です。

①好きなことをする

「好きを仕事に」と言うと「甘い」と思われるかもしれませんが、成功するために最も大切なことは「続けること」です。「好きこそものの上手なれ」の言葉通り、好きなことは飽きずに続けることができます。楽しみながら努力を続けることができれば、いずれその道のプロと認められるようになります。「何をするか」も大切ですが、「どのように人の役に立つか」「どんな時にモチベーションが続くのか」自分の心が向かう先を知ることから始めてみましょう。

②完璧を求めない

「私にはコレといってできることはない」と思いがちですが、「これくらい当たり前」とできていることが、他人から見れば「スゴイ」と言うこともよくある話です。また、悩んだ経験や困った経験はありませんか?どんな些細なことであっても、工夫して解決したり、自分なりに乗り越えたりした経験は、きっと同じ悩みを持つ方の役に立つはずです。

中には「もっともっとスキルアップしてから」と学ぶだけになる人もいますが、今できることで人の役に立ちながらスキルアップする方が、顧客のニーズにあった学びにつながります。「算数」を教えてもらうのに大学の教授である必要はありません。むしろちょっと先を行く先輩の方が教え上手なのかもしれません。

③無理なく始める

「事業を始めるには先行投資が必要」なんてことはありません。最初から事務所を借りる必要もありません。例えば、サロンやお教室をする人なら、自宅の一室を利用しても良いですし、レンタルスペースを借りることもできます。なるべくお金をかけずにできる方法を考えて、固定費を抑えるようにしましょう。固定費がなければ、例え売上がゼロだとしても損失は出ませんから、失敗のしようがありません。

実際、ゼロから始めた例としてこんな方がいます。

パートから着物写真家へ

写真館でパートタイマーとして働いていた女性。事務職でしたが、写真にも興味を持ち、カメラを借りて見よう見まねで練習していました。もともと趣味で着付けも習っていたので、娘さんの成人式では自分で着物を着せ、写真も撮影したそうです。その写真を年賀状に載せ「着付けと写真の仕事を始めました」と書いたところ、後日、友人から仕事の依頼が入ったそうです。中古のカメラを購入したのは、しばらくしてからとのこと。最初は借り物のカメラでスキルを磨きながら「着物写真家」として実績を積み上げ、数年後にはフォトグラファーとしての仕事に専念することにしたそうです。今では、成人式、七五三、入学・卒業式などの時期は予約が取れないほど。人気のフォトグラファーとして飛び回っています。

写真とキモノharu
写真とキモノharu

子どものためからママのためへ

一般社団法人コトモット 大阪市地域子育て支援拠点事業「関目集いの広場うたたね」
一般社団法人コトモット
大阪市地域子育て支援拠点事業「関目集いの広場うたたね」

自閉症のお子さんを持つ女性。幼少期、お子さんが頻繁にパニックを起こすため仕事を辞めることになりました。そんなとき「親子ヨガ」に出会い、親子のコミュニケーションに取り入れたら、みるみるお子さんの状態が落ち着いてきたそうです。その経験から「親子ヨガを広めたい」と講師資格を取得。ママ友などを招いて自宅で教室を始めました。そのうち紹介で幼稚園や行政の子育て講座で講師を務めるようになり、さらに大学や保育士研修に講師として招かれるなど活躍の場が広がっていきました。6年後には仲間と法人を設立し、現在は市の委託事業として子育て広場を運営しています。「親子ヨガを伝えたい」という目標の先で見つけた「孤立しがちなママたちに憩いの場を提供したい」という夢も叶いました。そして、また次の夢に向けて心が動き始めたようです。

他にも、

  • 子育て経験からコミュニケーションについて発信している内に、企業の人材育成の仕事に関わるようになった人
  • 裁縫が好きで作った小物をSNSに投稿している内に注文が入るようになった人
  • 食レポをインスタに投稿していたら、企業のSNS運用についてコンサルをするようになった人
  • お子さんのアレルギーを克服した経験から、アレルギー専門のネットショップを立ち上げた人
  • 離婚を経験し、その反省から幸せなパートナーシップを築くためのコミュニケーション術を伝える人

などゼロの状態から始めて、2~3年で夫の扶養から外れたり、新入社員以上の収入を得るようになったり、無理なく自分らしい働き方を実現している人を何人も見てきました。

実は、私も小さく始めた女性のひとりです。
30代半ばで夫が独立開業しお金の管理を任された私は、税金や社会保険の手続きにも戸惑ってばかり。
金融機関では保険などの商品を勧められますが、知識が乏しく自分で判断できない不安を感じていました。

そんな時、加入していた生協で「ライフプランニング活動」というコープ共済連の活動に出会いました。
お金の知識を学んで組合員の相談を受けたり、学習会の講師を務めたりするボランティア的な活動で、人の役に立つ喜びを感じながら、お金に関する学びを深めていきました。
すると、しだいに生協外からも講演依頼をいただくようになり、ボランティアとして始めた「お金の知識の普及活動」が仕事になったのです。

このように無理なく自分らしい働き方を実現するためには、今あるもので小さく始めてみることです。
大きな投資をしていなければ失敗もありません。上手く行かなくても学びがあるだけです。
「憧れを抱けることが才能」です。

「好きなことを仕事にできたらいいな」「時間に縛られず自由に働けたらなあ」と、
「起業という働き方」に憧れる気持ちがあれば、まずは、小さく始めてみませんか?

小谷 晴美(こたに・はるみ)
しなやかライフ研究所 代表
ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)
熊本県出身。大阪教育大学教育学部卒。前職では中小企業診断士として商業・サービス業の経営指導に携わる。
夫の独立開業を機に、2006年FP資格を取得する。「漠然とした不安を、自分で考え判断できる安心に変える!」をモットーに、相談、講演、執筆等を通じて、金融知識の普及に注力する。
個人事業主の妻として夫をサポートした経験と子育てをしながら少しずつ仕事の幅を広げてきた経験から、特に女性のしなやかな働き方の支援に強みを発揮している。
著書に『女性ひとり起業スタートBOOK』(コスミック出版)がある。

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