10周年記念企画 第2弾
「特集記事②歴代審査委員が振り返る10年間」

10周年記念企画 第3弾
「10周年記念座談会~歴代審査委員が10年間を振り返ってみて/まとめ~」

本ページは、10周年記念企画 第2弾「特集記事②」として歴代審査委員を務められた皆様に、アンケート形式で質問させていただき、お寄せいただいた原稿と記念座談会(2022年4月28日開催 10周年記念企画 第3弾)でのご意見をもとに事務局が構成・編集しました。

審査委員に就任した際に思ったこと

  • 助成審査委員を引き受けていただけませんか?と、お話をいただいたとき、イメージがわかず??となったことを、覚えております。事務局から、詳しい説明と、委員としての心構えを教えていただき、組合員目線での審査をすればよいと、言っていただけたので、安心してお引き受けしました。その後届いた分厚い書類の束に、一瞬後悔しましたが、申請書類の内容を読み、いろいろな活動ができる可能性に、心が高揚しました。実際の審査委員会は、この機会がなければ出会うことのできない方々と意見交換ができ、新しい視点に気付かせてくれる場であり、一組合員である私の意見を、受け止め議論していただけたこと、感謝しております。
  • わー、できるかしら?最初は審査資料の量に圧倒されました。
  • この制度が発足した2012年から14年までの3年間、委員として参加しました。CO・OP共済の助成事業は、1996年から15年間日本生協連のもとで生協福祉活動推進助成事業として、共済の剰余金を拠出してきました。その当時は、資金は拠出していましたが、助成先の選定や活動内容は日本生協連本部での審査に委託しており、共済部局では十分把握できていませんでした。コープ共済連の制度として主体的に助成先の選定・審査をおこなうこととなり、申請が出された各団体の活動計画・資金計画、生協と諸団体の連携の内容などを、審査委員会で大変慎重に検討しました。委員会の前に、事務局が用意した申請書類を時間をかけて読み込んだことが印象に残っています。
  • 10年前に助成を開始した時から広報部として事務局を担当し、人事異動をきっかけに審査委員に着任したという経過であったため、委員の方々に審査のための資料を提供する立場から、なぜか資料を受け取って審査する側に回ってしまったという印象でした。ところが、審査資料を読み始めた途端、自分の判断が間違っていた場合、せっかく応募していただいた優良な団体に不利益が生じたり、逆に無駄なお金を渡すことになってしまうこともあるのではないか、という大きなプレッシャーを感じたことを思い出しました。
  • 「生協福祉活動推進助成事業」を終え、新しい助成を始める時期に当たり、どのような点を新しくするのか、上野谷先生、日本NPOセンターの吉田さんたちと繰り返し論議したことを覚えています。
  • 事務局を管掌するということもあり、純粋に委員として参加していいものか、ちょっと迷った記憶があります。
  • 前任者が審査をしている様子は見ていましたので、「審査が大変~」とは思っていました。一方で、全国の様々な取り組みやユニークな連携事例などを知ることができる、と楽しみにもしていました。
  • 長年生協の組合員のくらしや地域活動について研究しており、特に「子育て支援活動」を普及するにはどうしたら良いかという視点で研究している時期で、自分の研究成果も出していたので、スキームについて検討の討議をしたり、良い事例をみて判断することができる大変よいチャンスを与えていただいたと嬉しく感じました。まさに「腕が鳴る」という表現がよいかもしれません。

10年間で印象にのこった活動・団体

  • 2012年から3年間は、東日本大震災の後でもあり、被災地支援・復興支援の活動が助成対象として数多く採用されたことが印象に残っている取り組みです(東日本大震災復興支援 京都生協職員ボランティア、石巻仮設住宅自治連合推進会、福島の子ども保養プロジェクトin神奈川実行委員会、福島の子どもたち香川へおいでプロジェクト等)
  • 立ち上げ当初は東日本大震直後ということもあり、関連する活動の申請が多くあがってきました。被災者に寄り添ったきめ細やかな活用が印象に残っています。
  • 当初は、申請してもらうために、他組織との協働事例を探して、申請をお勧めする取り組みもおこないました。その中で、コープみらい千葉のブロック委員会と佐倉市社会福祉協議会の「福祉マップづくり」の取り組みが印象的でした。ブロック委員のみなさんが初めて社会福祉協議会の福祉委員の方々と一緒に活動する中で、他組織の方と力を合わせる難しさ、成し遂げたときの喜びを感じてくださり、成果を、福島県郡山市で開催された「全国ボランティア活動交流会」で報告してもらいました。
  • 審査委員を引き受ける前から続いている、北海道のまる元は、産官民学全てを巻き込んだ活動が生協でもできるということに気付かされた活動です。他にも、ここ数年で、子ども食堂、フードバンクなどの活動が増えた事が、印象的です。コロナ禍の学生への支援なども、今、助成が必要な人に必要とされる「助成金」だけでなく私たちの想いものせて届けられる活動として「地域ささえあい助成」が印象に残っています。
  • 「地域つながりセンター」
    →島根県のJA・社協・おたがいさま・医療生協・地域生協のそれぞれが強みを発揮しつつ協働することによって、行政も巻き込んで、住民が安心して住み続けられる地域づくりに貢献している活動は、まさしく「地域ささえあい」の助成の意義に合致したものであると感じました。
  • 「ソーシャルビジネス推進センター」(まる元)
    →コープさっぽろと北翔大学が協力し、NPOが運営主体となって始めた「介護予防事業(健康運動指導・認知症予防)」は、行政にもその意義が認知され、全道の各地で予算が付き大きく広がっていきました。継続的な事業とするため職員採用の方法などに様々な工夫が施されており、全国のモデルとなり得る事業として、その初期段階で助成対象としたことは大きな意義があったと思いました。
  • フードバンクや子ども食堂の取り組みは、最初は環境整備的な助成が多かったと思いますが、コロナ禍でフードパントリーの活動が始まったり、大学生への支援が始まったりと、社会の状況に対応して活動が変化してきている点が印象的でした。市民の活動のもつ創意工夫の力強さと柔軟な対応力を感じました。
  • やはり実際に活動をみせていただいた、まる元、しがの高島市社会福祉協議会との取り組み、キッズドアが印象に残っています。
  • ソーシャルビジネス推進センターのスキームと活動。行政研究のプロ、運動科学のプロ、消費生活のプロたちが考案発展させた規模の大きなスキーム。知識は活動の源泉になることを驚異的なスキーム作りで実現している点が自分としては印象に。また、ニーズから立ち上がった地域の小さなグループがNPOなどに発展していくのも興味深かったです。反してうまくいかない事例もたくさんみてきたので、インキュベーター(*)としては「有限の資源」を使ってその団体の活動を守り育てていけるかが難しいと感じました。

インキュベーターとは孵卵器(ふらんき)のこと(温度を一定に保つ機能を有する装置)。このことから転じて、起業に関する支援をおこなう者。広義には既存事業者の新規事業を含む起業支援のための制度、仕組み、施設。

「CO・OP共済地域ささえあい助成」ならではの制度だと思われること

  • やはり“協働”にこだわっている点だと思います。
  • 生協と他の民間団体・組織との「連携」に焦点を当てている点。
  • 他団体と生協が協働で、活動を展開しており、組合員に限らず、地域のために役立つ活動に助成がなされる点です。
  • 生協だけの取り組みではなく、必ず他組織との協働・提携を計画化してもらうことにした点。生協は、ヒト・モノ・カネを持っているので、あえて他組織と一緒にすすめなくても活動を実施できるのですが、この助成では、あえて他組織との連携を義務としました。それは、連携することにより、地域の課題を様々な目から見ることができること、他組織とちがうコープの強みや弱みを客観的に理解することが可能になることをねらったものです。今でこそ、地域の社会福祉協議会やNPO等との協働は多くの地域で取り組まれていますが、この協働の流れを意図的に強めたいと条件を設定しました。
  • 資金を諸団体に助成することにとどまらず、①その活動の実態をできるだけ具体的に把握すること、②地域生協と地域の諸団体との連携を助成の条件の一つとしていること、③諸団体がより良い活動を進められるように「団体交流会」を開催していること、などがあげられると思います。
  • この助成の最大のこだわりは、第1回目の審査の前に定めてもらった5つの「選考基準」の1番目にある「生協と地域の他団体との協同により成り立つ活動であること」だと思います。コープ共済連は言うまでもなく「協同組合」なのですが、「協同」という言葉の持つ意味は、職員でもあまり考えることはないかもしれません。ところが、この助成制度は「生協の内輪だけの活動はダメ。NPOなど生協以外の団体だけの活動もダメ」ということで、生協と地域の他団体が一緒になって取り組み、それぞれの地域でささえあいの輪を広げる活動のみを対象にしたことに非常に大きな意味があったと思います。生協は参加者を集めることや一定のお金を拠出することは上手だけど専門的な知識が少ない。一方NPOの多くは、専門性は非常に高いがお金はあまりなく動員も容易ではない。それぞれが、その得意分野を活かして協同することで、地域での活動の規模を大きくし活性化することができ、地域への貢献度を高めることにつながるのではないか。そういう想いで定めてもらった選考基準は脈々と引き継がれ、地域ささえあい助成ならでは意義を創り上げていったのだと思います。
  • 生協と他団体とが連携して取り組むことを重視している点が、ユニークだと思います。
  • 各地の多様な生協との繋がりを必須としていること、その関係が相互に刺激することを目的にしていることが大きな特色だと考えています。
  • 支えることができるのは、かなり事業や内部関係が成熟した団体や組織にしかできません。大がかりであるほど、である。公共というのが通常大きな支えあいの仕組みですが、公共に先んじて、あるいは課題発見が早くできる、生活現場に近い組合員や市民を支えるのは当事者たちです。公共に先んじて、公共ができないことを育てる視点で「あったらいいね」のスキームを育てることのできる制度だと思う。

審査する上で大事にされていたこと

  • 生協がひとりよがりにならない、相手組織との対等な関係づくりに努力されている点を、大切に見ていたと記憶しています。
  • その活動のビジョンに共感できるか、助成が最大3年間ということもあり助成後の継続性が見込まれるか、を重視しました。
  • 協働・連携において、それぞれの団体や組織が、その強みを生かしたり、自分たちの「やりたいこと・めざすこと」を実現したりできる関係性になっているか(そうしないと長続きしないと思うので)。
  • その地域の課題を適切にとらえているか(一般的な課題と被ることももちろん多いわけですが、特にその地域の現状の把握がされている、その地域ならでは課題や可能性に着目している案件について高く評価しています)。
  • 他団体と生協が、しっかり協働で活動しているかを、最重点課題として組合員からお預かりした共済金の余剰金を有意義な活動に助成したいという思いから、いつも全国の組合員が応援してくれる活動か、こういうお金の使い方をして納得できるか、という視点で審査しておりました。
  • 「協働」を審査の最重要ポイントとしつつ、継続性や発展性の観点からも審査するように心がけました。単発のイベント等にももちろん大事なものは多くありましたが、限られた資金を有効に活用するためには、長期間にわたって地域に根差す活動に重点配分することが重要であるとの考えにもとづいたものです。また、協働が条件であることから、どうしても生協か他団体の片方が「名義貸し」のみで、一方の団体が完全に主導権を握っている事例もしばしば見受けられたので、どのように協同するかの具体的な運営方法まで事務局で調査してもらい、公平に審査するようにしました。
  • 助成により持続可能な活動となるか(助成がなくなると活動がなくなるということにはならないか)を重視していました。
  • 助成の前の審査だけでなく、助成した後助成金がどのように活用されたのか、助成した各団体の活動がどのように進んだのかを、把握することを審査委員会では重視してきました。地域の諸団体は、ある意味でプロではなくアマチュアであり、活動を始めた(始めようとしている)ところがほとんどです。初年度、計画通りに十分な成果を出せなくても、2年3年後への発展の可能性や芽があるのかどうか、という点も審査委員会では大事な評価ポイントとしていました。事務局担当者による申請団体への丁寧なヒアリングや申請書類のキメの細かい点検、わかりやすい審査資料の作成などがおこなわれたことが、審査委員会での検討の際に大変役立ちました。
  • 審査基準をすべて大事にすることはなかなか難しかったですが、ミッションが明確であること(単なる思いつきでないこと)、生協との関連が「本物」であるのか、将来性があるのか、生協の経営層への訴求力などをポイントとしました。

10年間の活動エピソード作文を募集することについて

エピソード募集をするのは大変いいことだと思います。
参加体験記や感想?、それともこの言葉の意味・意義も含まれるエピソードか、自分が「ささえてるな」「ささえられてるな」と感じたのはどんな時だったかなど、10年を振り返ったさまざまなエピソードがもらえることを期待しています。
「ささえあい」という言葉自体は、一般社会の中でもそれほど日常的に使われるものではなく、特に生協の中では、組合員活動においてもCO・OP共済の商品としても「たすけあい」の方が圧倒的になじみやすいのだろうと思います。ともすれば、弱者同士がお互いに寄り添いながら生きていくというイメージもありそうな「ささえあい」という言葉を使ったのはなぜなのか、改めて考えるよい機会かもしれません。

「ささえあい」という「ことば」って?

「ささえあい」という言葉自体は、一般社会の中でもそれほど日常的に使われるものではなく、特に生協の中では、組合員活動においてもCO・OP共済の商品としても「たすけあい」の方が圧倒的になじみやすいのだろうと思います。ともすれば、弱者同士がお互いに寄り添いながら生きていくというイメージもありそうな「ささえあい」という言葉を使ったのはなぜなのか、改めて考えるよい機会かもしれません。

助成制度誕生時の名前の由来

「CO・OP共済地域ささえあい助成」の名称は、CO・OP共済のブランドスローガン「明日のくらし ささえあう」の「ささえあい」に「地域」という言葉を加え、家族等の小さな単位から、地域社会での互助を実現させたいという思いを込めています。

歴代審査員にもお尋ねしてみましたので、ご紹介します。

「ささえあい」という命名・ことばのもつイメージについて

  • 人も組織も、支える主体になれるときもあれば、支援を必要とする場合もあります。このささえあい助成は、異なる組織とご一緒に取り組みを進めることで、両方の立場を理解し担うことが可能になると思います。
  • 改めて考えるのは良いと思います。“お互い様”も少し似ていますかね。
  • この場合の「ささえあい」は相互的なものだけではないのではないか、と考えています。むしろ、子ども食堂でほっとした時間を持てた子どもが大きくなって、今度は誰かのためにほっとした時間を提供する、というような恩送り(Pay Foward)の意味あいが強いように思います。ささえあい助成で対象としているような活動のほとんどは、支えられた人が支えてくれた人に直接何かを返す(恩返し、Pay Back)ではなく、遠い先の「恩送り」を信じるものだとも言えます。が、もしかしたら、支える側の人は、そのような「(未来に対する、あるいは人や社会に対する)信頼」というもの自体をすでに返してもらっているのかもしれませんね。共済などでいう「ささえあい」は、もう少し短期的かつ加入者どうしのたすけあい・ささえあい、という意味が強いように思いますので、この点はやや注意が必要かもしれないと思いました。
  • 補助や依存ではなく、ささえあいという観点では、ささえる・ささえられる二つの関係性は、フレキシブルであり、状況に応じて、ささえる・ささえられるどちら側にもいける、そんな活動が、長く続く持続可能な活動なのだと思います。一方的ではなく、双方向に働きかけることが、ささえあいという言葉にふさわしい活動であると考えます。
  • ささえる人、ささえられる人に分かれるのではなく、1人の人がときには「ささえ」ときには「ささえられる」人になります。支え、支えられる関係が重なっていくと、地域に「生きる力」があふれてくる、そんな姿が素敵だなと思います。

事務局の想い

審査委員の目からご覧になられた「地域ささえあい助成」の制度面への感想や応募団体への想い、審査委員の皆様の視点、就任当時の想いなど事務局でも今回はじめて伺ったことも多かったです。中でも審査資料の多さで困惑させてしまっていたことは、やはり……と思いました。

10周年記念企画 第3弾 歴代審査委員が振り返る10年間記念座談会

CO・OP共済 地域ささえあい助成10周年記念座談会

【開催概要】

日時:
2022年4月28日(金)13:30-14:30
参加者:
歴代審査委員、現事務局 計14名
目的:
1.寄稿原稿を元に事務局で編集した「報告集」の紙面について意見交換しながら点検をおこない、記事を完成させる。
2.記事を題材に10周年を迎えた今だから話せることを未来につなぐ。

本座談会は「報告集」の特集記事を完成させるだけでなく、歴代審査委員が就任された際の想いや「助成制度」が日本生協連からコープ共済連に移管された当時のこと、未来への期待等を伺える貴重な機会となりました。未来に向けて「助成制度」をどのように育んでいくのかも含めて課題が見えてきました。当時を知らない事務局メンバーにとっても学びと気づきをいただけた時間となりました。

地域ささえあい助成 10周年記念特設ページ

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